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高分子DNA サケ白子から抽出

 釜石市の大和化成研究所釜石工場(正木征史工場長)は、県工業技術センター(斎藤紘一所長)と共同で、フィルムなどの工業材料になる高分子デオキシリボ核酸(DNA)をサケの白子から抽出する方法を確立した。高分子DNAは、将来的には有害物質の吸着剤など幅広い利用が見込まれてる素材。本県は全国有数のサケ漁獲量を誇るが、白子は大半が廃棄されており、新産業創出に期待が寄せられている。

 高分子DNAは現在、光ファイバーやフィルムなどに使われている合成高分子材料に比べて分子量が多い上、ある程度の強度を有し、特定の方向に電気を通す性質があることから、工業材料の新たな原料として大学などで研究開発が進んでいる。

 同工場は、安価で入手できDNA含有量の多いサケの白子に着目。健康食品や化粧、医療品の原料となる粉末状の低分子DNAを商品として生産していたが、将来性のある高分子DNAの開発を目指し、2003年から同センターと研究を始めた。

 かき混ぜた白子に酵素を加え、余分なタンパク質や脂質を分解した上、脂質の残りかすなどを活性炭素に吸着させ純度を高めた。かき混ぜるスピードを遅くするなど工夫を重ね、04年に二重らせん構造を保ったままの繊維状の高分子DNA抽出法を確立した。

 サケ1匹(平均3−4キロ)からは約150グラムの高分子DNAが抽出できるという。本県のサケ漁獲量は年間約2万5千−から3万トンと全国2位で、今回の研究が白子の有効利用に結び付く可能性もある。

 高分子DNAを使った工業材料は大学などで研究開発の段階にあり、実用化のめどはまだ付いていない。同社は研究用などの試薬として今春からメーカーに販売する予定だ。高分子DNAの試薬は通常1グラム5千−6千円程度だが、今回の技術確立で試算上1グラム200円で提供可能になるという。

 正木工場長は「将来発展が見込まれる分野であり、先を見越して技術を確立した。大学で研究が活発化し、実用段階となったら工業材料のメーカーと取引したい。新産業につながる可能性がある」と期待する。

 高分子DNA 数百万以上の分子量を維持したまま生体細胞から抽出したデオキシリボ核酸(DNA)。通電性、吸着性に優れ、光ファイバーやダイオキシンなど有害物質除去フィルターなどの工学材料に応用できる可能性がある。大量に廃棄されているサケの白子が原料として注目され、抽出法の開発も進んでいる。

2005年1月21日付「岩手日報 Web News」より

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