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反アメリカ
アメリカ批判
農業分野でも地球上を危機に陥れるアメリカ
「WORLD・WATCH」
「戦争中毒」
「難民の世紀〜漂流の民」を読んで
鈴木明さんのコラム「波」より
ブッシュは科学の敵
ラジオライフ7月号、8月号より
劣化ウラン弾
不発弾の所有者は誰なのだろう?
ブッシュの罪
アメリカの情報操作に世界の国はうんざりしている
国際刑事裁判所のアメリカ問題
人口問題に無関心なブッシュ、キリスト教右派
「京都に原爆を投下せよ」
アメリカ批判
世界のニュースを見ると、最近はイラクと北朝鮮の登場が多いようです。
さて、イラクに最初に目を向けます。
イラクが現在のイラクになったのは、アメリカに原因があります。
イラクに大量殺戮兵器の種をまいたのもアメリカです。
それを反テロの口実に、世界中を巻き込むのはあまりに身勝手すぎます。
アメリカ同時中枢テロの首謀者といわれるビン・ラディンという怪物を生み出したのもアメリカです。
すべての責任はアメリカなのだから、アメリカが全世界に謝罪し、アメリカ単独で事件を解決すべきだと思います。
北朝鮮についてですが、もし朝鮮半島が北を南に分かれていなくかったら、日本人拉致はあったのでしょうか?
どうして同じ戦争被害者である韓国は、日本人を拉致しなかったのでしょう。
この疑問を考えるにあたって、朝鮮半島を二分した原因を考えざるを得ず、東西冷戦、というよりはアメリカと旧ソ連の対立が、拉致被害者を生んだといっても過言ではないかもしれません。
こう考えるなら、北朝鮮の、拉致問題と国交正常化交渉を別にしたほうがいいという発言は、決して誤っているとは思えません。
歴史の生成は単純ではなく、さまざまな利害関係がからみ、事件の原因も単純なものは一つもありません。
アメリカが関係すれば、特にです。
北朝鮮の件は、感情的にばかりになっていないで、冷静に正常化してほしいものです。
実際に第二次大戦などで、朝鮮半島に被害を与えたのは日本なのですから。
このように、どんな戦争も、戦後にかなりの後遺症を残します。
それでも戦争したがる人の気持ちを、私は理解できませんね。
外務省というのが日本には存在します。
よく「国益優先」とかいう言葉が利用され、外務省の役割を強調します。
この自国の「国益」は他国の「不利益」になることが多く、共通の「利益」となることは稀です。
地球上の国々は「国益」を考えて、対外戦略を練り、自国の国民を養っていきます。
国という概念がある以上、これは否定することはできません。
しかし、アメリカの「国益優先」はあまりに露骨すぎます。
アフリカの国々のあらゆるクーデターもアメリカが必ず絡んでしますし、南米の政権転覆の犯人もアメリカでした。
自国民が幸せなら、他国民はどうでもいいのでしょうか?
あの国に他国の人権問題を語る資格があるのでしょうか?
偽善の国アメリカ、とでもこれから私は呼ぶことにしますか。
(2002年11月30日)
農業分野でも地球上を危機に陥れるアメリカ
遺伝子組み換え生物(GMO)入りのトウモロコシを食べたブタの繁殖行動に異常が出たらしい。
人間の食に対しては一般には遺伝子組み替え食品というが、動物が食べる飼料作物もあるので、ここでは遺伝子組み換え生物入りの作物のことをGMO作物とする。(「WORLD・WATCH」ではGMO作物としている)
ブタの異常繁殖行動について次に抜粋引用する。
アイオワ発の最近の報告によれば、Btトウモロコシを餌として与えているブタ肉の生産者が、ブタの不可思議な偽妊娠状態を経験しているという。原因はマイコトキシンのようだが、Btトウモロコシ給餌を中止すると正常な繁殖行動に戻った。Bt作物を管理しているアメリカ環境保護庁は、Bt作物が動物の繁殖に及ぼす影響を確認するテストは義務づけていない。
(以上、「WORLD・WATCH」2002年11/12月号p15)
Btトウモロコシは、天然の殺虫剤ともいえる殺虫性芽胞細菌(Bt)の特徴を備えた遺伝子組み換え種を作るために操作が加えられたトウモロコシのハイブリット種で、特許が与えられている。
Btは一般的な殺虫スプレーとして広く利用されている。自然のBtは、標的となる昆虫の消化器官に到達するまでは無害である。しかし、遺伝子導入Btは、常に活動するよう遺伝子が組み替えられており、Bt植物の生活環を通して毒素を発散しつづける。遺伝子導入Btは、標的とする益虫だけでなく、ミドリクサカゲロウのような標的でない種までも危害を加えるが、これらは、自然界の害虫駆除役として高く評価されている昆虫である。
トウモロコシは周囲のすべてのものに花粉を撒き散らすという、見事ながらやっかいな状況の中で繁殖する。
Btトウモロコシは常に殺虫毒素を発散しているので、周囲にあるものはすべてBtにさらされている。その結果、昆虫は、いつかBtへの耐性を発達させることになるだろう。そうなれば、自然界のBtまでもがその効力を失い、世界中で有機農業や従来の農法に携わっている農民に深刻な被害が及ぶだろう。
(以上、前掲書p17)
これは「WORLD・WATCH」11/12号の「遺伝子組み換えトウモロコシが伝統文化までを危機にさらす」からで、メキシコでのある出来事を記事にしている。
トウモロコシは、今から約8000年前に、メキシコや近隣の野生の草が栽培植物化されたもので、当時の農民の子孫が今でも在来種を栽培し続けており、その中で、GMOが発見されたのは大事件だった。
すでにアメリカからのGMOトウモロコシの輸入に、この地の農民は頭を痛めており、そのGMOトウモロコシのほとんどがBtトウモロコシだといわれている。
そのことがまた事態を深刻にしている。
ちなみにトウモロコシは、コメに次いで世界第2位の主要農作物。
アメリカのGMOを使った単一品種主義は、アメリカのアグリビジネスを支えるものだ。
しかし、これは非常に危険な考えで、メキシコや中央アメリカの非常に豊かな多様性を滅ぼすものである。
何とこの地には、今でも2万種を超えるトウモロコシが栽培されている。
アメリカのずるさは政治戦略にある。
次の文章でそれがわかる。
多額の助成金を受けたアメリカ産トウモロコシとの価格競争にはどうしても勝てない。メキシコは、NAFTA(北米自由貿易協定)のもとで、買い支えや農民への助成金を廃止した。しかし、アメリカは、最新の農業法案では、向こう6年にわたって生活必需品の生産者に対し1,800億ドルを拠出する予定である。GMOは、この必需品助成システムの一部である。その結果としての過剰生産が意味するのは、アメリカの農民が底値をつけ、他の国の貧しい農民は市場から追い出されるという図式である。
メキシコの数百万の地方農民はいまでも、クリオーヨ・トウモロコシ(在来種)を栽培し続けている。自家用と地元での消費以外に、トウモロコシの遺伝子多様性の有能な管理人としても活動していることになる。しかし、世界の農業遺産への貢献は認められず、また何の見返りもない。政府による保護措置もない。一方で、NAFTAが発効したことで、アメリカからのトウモロコシの輸入は18倍に増加した。
(前掲書p20)
このメキシコ農業の今後はどうなるのだろう?
すでにこの記事では悲惨な結果をすでに示している。
離農した人たちの生活も悲惨だという。
ダンボール暮らし。
メキシコで離農した人が今度はアメリカのGMO農業に就き、メキシコで在来種を守っている人たちと対立することが起きるかもしれない。
まだ、そのような事例はないが。
アメリカの覇権主義、属国支配、植民地支配、世界支配はいつまで続くのだろう。
先進技術の進歩に疑問を投げかける文章を、次のように「ワールドウォッチ」は書いている。
トウモロコシは順応性に富んでいるので、農民が望むように育つ。アメリカでは、主要農産物を栽培する農民は、トウモロコシに対し、並外れた生産性と均一性を求め、それが実現している。その収量を達成するには、肥料などの化学物質という形のエネルギーを大量に投入しなければならない。したがって、企業が所有する遺伝子を持ち、均一で、営利目的で作られるGMOは、産業文化の要請から生み出されたものに過ぎないと言えるだろう。そこには、トウモロコシを生物学的機械と同様に扱い、一掴みのハイブリット商品に依存する農民を育てる一方で、高い生産性と収益性とを重視する文化が反映されている。
一方で、シエラ・ノルテ山系の農民は、遺伝子の多様性と自由・自立を重んじる。食料をトウモロコシに依存するすべての人々の健康や環境と密接につながった、その生態学的な背景のなかで、トウモロコシを生き物として捕らえている。農民らは、ストレスの多いさまざまな条件下での栽培を余儀なくされ、それを実践している。大量生産重視の農民に比べ、収量は少ないかもしれないが、大量の化学物質を使うこともなく、種子の保存や交換も自由である。その結果、土地に根ざした文化を維持しながら、高度な自主性を保ってこられたのである。
科学は、産業重視の見解も伝統重視の見解も支援するものだ。しかし、農業関連のバイオテクノロジーの場合、残念ながら、科学が技術に乗っ取られてしまった。それも製品が社会や環境、文化に与える影響を考慮しない営利目的の技術にである。
(前掲書p26)
メキシコ先住民社会は、このアメリカ侵略に対して、地道に多様性を守る努力をしている。
彼らは先進国型の経済の終末を、もしかしたら予測できているのかもしれない。
彼らの伝統・文化を示すものとして、「WORLD・WATCH」は「互恵主義」を紹介している。
それはトウモロコシの存在がそうしているのだという。
彼らは自分たちのできることを分かっているし、それ以上背伸びしようとしていない。
先住民には先住民の生活があるのだ。
今回の記事はそれを説明するものだ。
今の情報社会では、自分たちの伝統を守り通す方が難しい。
私たちは、彼らから生き方を学ぶべきだろう。
このことで私たちに何ができるのだろう?
幸いにも日本では原産地表示が徹底されつつある。
偽装問題もあらゆる分野で表面化し、国民全体がこの問題に関心を寄せている。
遺伝子組み換え表示もしっかり定められていて、ここはメキシコとは大きく違う。
メキシコは遺伝子組み換え表示はないのだそうだ。
冒頭のブタの繁殖異常の事例から、遺伝子組み換え食品、すなわちGMO作物の危険性はないとは言えないだろう。
しかも、これらは世界の農業の敵である。
日本でも有機農業が見直され、岩手では有機農業が武器となりつつある。
GMO作物は有機農業の敵であり、日本の農業を守る上でも、遺伝子組み換え不買運動はあってもいい。
(2003年1月17日)
「WORLD・WATCH」
もう「WORLD・WATCH」誌はどこの国の雑誌なのか、疑いたくなります。
ということで、今日もアメリカ批判の記事てんこ盛りです。
確か私のWebサイトのどこかに、ルワンダのことが書いてあるはずですが、その大虐殺に加担しているのもアメリカ。
ルワンダの悲劇の原因には人口問題がありましたが、この時、二人の大統領が暗殺されているのをご存知の方も多いでしょう。
1994年です。
で、この暗殺首謀者がポール・カガメという人物であり、どうして暗殺したのか?
ルワンダ大統領とブルンジ大統領は、複数部族間の和平協定をまとめる寸前でした。
それが合意に達すると、カガメは自分がまもなく手にすることになっていた権力の妨げになると判断し、二人の大統領の暗殺を命じました。
二人の大統領の搭乗機にミサイルが打ち込まれ、そのミサイルはイラクのものだったと言われていましたが、実は、アメリカ軍が湾岸戦争中にイラクで入手したものであり、仲介を経て、カガメに渡ったものだったのです。
カガメは、アメリカ国防総省の共同訓練プログラムのもと、陸軍幕僚大学で軍事訓練を受けています。
その後も、アメリカはウガンダのカガメに、7,500万ドルの軍事援助を行い、カガメの軍隊も訓練しています。
以上が「WORLD・WATCH」誌の記事の要約で、その他、カガメの裁判とかいろいろ書いています。
この地で取れるコルタン(携帯電話などハイテク製品の原料)が、先進国に簡単に入るのは、アメリカとカガメがいるからかもしれません。
携帯電話天国日本も、つまり、ルワンダがガクガクして、殺し合いをしているから、安い携帯電話を手にすることができます。
あ〜あ、どうしましょ。
今度は対テロだとか言って、攻撃されたアフガニスタンの話。
喉元過ぎれば熱さは簡単に忘れられ、何が起こっているのかもテレビ新聞では報道されません。
だから、本当にアメリカが何をやっているかも、みんなに伝わらないんですね。
アフガニスタンの復興は、アメリカ主体でやっているのですが、カルザイ大統領もアメリカの傀儡であることは全世界が知っています。
当然、アメリカが支援しているこの大統領の正当性も疑われ始めています。
今はもうタリバン政権時代と大して変わらない治安状況であるらしく、この政権も末期的なのかもしれません。
あれだけアメリカの報復戦争を支持し、復興を約束した世界中の国々も、喉元過ぎれば熱さを忘れ、本年度の支援額18億ドルのうち7月現在でわずかの5億ドル。
おそらくイラク攻撃でも、イラクを無害化し(アメリカから見て)、その復興資金も国際社会から募るのでしょう。
反テロだとか言って、勝手に戦争を仕掛けといて、他の国に金をせびる。
それはないでしょう、アメリカさん。
で、そのアメリカは、今でもアフガニスタンで戦争しています。
今でも毎月20億ドル(約2,460億円)を使っているそうです。
「WORLD・WATCH」誌では、軍事作戦と書いていますが、戦争でしょ!
その結果、多数の一般市民が犠牲になっていて、アフガニスタンの一般市民の犠牲者は、3,500人と推計されています。
これはすでにアメリカの9.11テロの犠牲者を上回っています。
こんな状況で各地軍閥は勢力を強め、支援組織のスタッフも危険にさらされています。
支援組織の食糧輸送者が銃撃され、また、その組織の女性がレイプされ、それでもって犯人は捕まらない。
これでは国土は荒廃する一方で、1978年以前のアフガニスタンが、食糧自給国だったというのはウソのようです。
アメリカはタリバン軍に圧勝し、アフガニスタンを支配しましたが、結局、この国をただ破壊しただけ。
アメリカの要人を強制終身移住させましょう!
一方、アメリカに反目しようとする元気な国もあります。
南アフリカの国々です。
前回のGMOが関連していて、ここでちょっと引用します。
アフリカ南部では1,400万人が餓死寸前になっているが、モザンビーク、ザンビア、ジンバブエは近ごろ、遺伝子組み換えトウモロコシが混入しているとの理由で、アメリカからの食糧援助の受け入れを拒否した。しばしば抽象的でしかなかったバイオテクノロジーの議論が、生死に関わる意味をもつことになった。アフリカの当局者は国内の食糧供給保全という長期的な問題と、国民を死から守るという緊急課題とを天秤に掛けなければならなくなった。
(「WORLD・WATCH」2002年11/12月号p2)
あまり引用すると「WORLD・WATCH」誌がかわいそうですので、買って読んでください。
アフリカの当局者がいろいろ解決案を出すんですが、ことごとくアメリカが拒否しています。
この案はアメリカの農業、そしてアグリビジネスの否定で、アメリカがこれを飲めば、アメリカ農業は倒壊の危機にさらされます。
アフリカ南部の国々の試みは、自国の国民を犠牲にしたアメリカの偽善に対する挑戦です。
少しは日本人も見習わないとね!
この「WORLD・WATCH」誌は、隔月発行で、定価が1,000円。
アメリカのシンクタンク、ワールドウォッチ研究所発行の日本語版。
英語が堪能な方には、英語版もあります。
そう、「地球白書」の版元でもあります。
「地球白書」より「WORLD・WATCH」のほうが、事件とかの背景が詳しく書いてあるので面白いですね。
「地球白書」は年次報告のようなもので、詳しく書くわけにはいかないのでしょう。
申し込みは電話でしたほうがいいようです。
048-861-5573
冒頭でも書きましたが、ワールドウォッチ研究所は、自国の批判をはっきりするようになりました。
この本を読めば、世界の不幸の出来事にアメリカが関与していることがわかります。
テレビ、新聞報道が何を報じているのか、ということが見えてきます。
隔月発行で、しかも60ページぐらいのもの。
本嫌いの方でも読めると思います。
本も慣れれば読むのも速くなります。
ここからは無駄話です。
慣れというのは恐ろしいもので、難しいと思われるものでも、慣れてくればそうでもなくなります。
何でもそうだと思います。
みんな同じ人間ですから、特別な才能のある人を除けば、やれないことはないというか、ある程度は同じことはやれてしまうのではないでしょうか。
私が宮古高校に入った時、授業についていけないと本当に思いました。
しかし、慣れてしまうんですよ。
要領もよくなりますし。
でも、あまり勉強はしませんでした。
先生にも怒られましたしね。
漁師もそうで、最初は体力とか、船酔いとか、まあいろいろあるわけですが、慣れるもので、疲れるとか、汚いとか、というのは気にならなくなります。
いつか私が上のガッコウを終わってきて、漁師の見習いになった時のことを書きたいと思います。
そんなわけでこんな不景気ですし、漁師という職業も頭に入れてもいい時代だと思いますよ。
(2003年1月19日)
「戦争中毒」
この「戦争中毒」は、リンクサイトのbunbukuさんの掲示版で紹介されていて、さらに読むよう勧められました。
bunbukuさん、ありがとうございます。
「戦争中毒」は漫画です。
しかし、漫画といってもバカにできない内容です。
私のサイトを読むより、ずっとアメリカ合衆国政府の都合の良い世界戦略が描かれています。
私は今まで、「アメリカ」と書いて批判してきましたが、ここで皆さんにお願いがあります。
当サイトにあるアメリカ批判の中の「アメリカ」という言葉の後ろにすべて、「合衆国政府」を付けて読んでください。
この「戦争中毒」では、アメリカの国民も被害者であることも書いています。
作者はジョエル・アンドレアスさんという方で、彼がアメリカ人であることから、非常に説得力もあります。
今までただ「アメリカ」と記述して非難してきたことは、配慮に欠いていましたので、この場でお詫びします。
内容は、「アメリカ帝国」成立の歴史からアメリカ合衆国政府の起こした戦争、そしてアメリカ国民の生活への影響、さらにはアメリカ合衆国政府の情報操作にまで及んでいます。
数値データが示されていて、驚くものが一つや二つではありません。
ここでは、あのテロの主犯とされるオサマ・ビン・ラディン氏の記述だけに留めます。
確か彼は、アル・ジャズィーラ?を通じて、ビデオテープに収録したメッセージを公表しました。
その時、アメリカ合衆国政府は「テロの実行犯向けの暗号を含んでいるかもしれない」として情報統制したのは、皆さんが知っての通り。
しかし、アメリカ合衆国政府がこのメッセージを隠したかった、というのが、真相かもしれません。
その時のメッセージ内容をここで「戦争中毒」から引用します。
アメリカが今、味わっていることは、われわれがもう何十年も味わってきたことにくらべれば、ごく、ささいなことである。われわれの国(イスラム世界)は、80年以上にもわたってこの屈辱といやしめとを味わってきた。息子たちは殺され、その血は流され、聖地は攻撃される。そしてだれも耳を傾けず、心にも留めない。こうして話している間も、何百万もの無実のこどもたちが殺されている。イラクでは何の罪もない子どもたちが殺されている。
アメリカ―その国家と人々に対して、私はほんのいくつかを言いたい。私は柱もなく天空を支え給う偉大な神に誓う。ここパレスチナに暮らす私の前に平和が戻り、異教徒の軍隊がマホメッドの土地から出ていかないかぎり、アメリカ、そしてアメリカに暮らす人びとは、安全を夢見ることさえ叶わないだろう。
神に平和を。
(「戦争中毒」p33)
漫画ではこの後、アメリカがオサマ・ビン・ラディン氏のメッセージを知られたくなかった理由を次のように書いて、さらに続きます。
「9月11日の攻撃は、アメリカの外交政策、とくに中東地域への軍事介入への報復として実行された」というメッセージがあたえる影響のほうを心配したのだろう。
(中略)
アメリカ国防総省は、最新鋭の兵器によって、攻撃目標になった国のインフラを破壊しつくし、数千人いや数十万人の人びとを殺してその国を破滅することができるということをくり返しくり返し見せつけてきた。
(前掲書p34)
これをうけて、主人公の一人のある家庭の主婦が、今度はこう言っています。
これで報復攻撃がないなんて考えるほうが甘いわよね。
(前掲書p34)
オサマ・ビン・ラディンは、アメリカ合衆国政府が生んだテロリスト。
彼はアメリカ合衆国政府に反目したわけですが、そうでないテロリストもたくさんいるらしいようです。
「戦争中毒」では実名を2名あげており、その両名はアメリカ合衆国政府のために、他国へのテロを実行しているとしています。
しかも、アメリカ国内で、保護までしています。
この後もアメリカ合衆国政府の「テロ行為」の描写はつづきますが、もう私は書きません。
ぜひ、買って読んでください。
一家に一冊あっていいと思います。
それほど、現在はアメリカ中心に動いていますし、しかも日本はアメリカの属国です(副島隆彦)から、私たちの平和な暮らしと比較し考えることも必要かと思います。
小泉内閣は、アメリカのイラク攻撃を支持していますが、この「戦争中毒」がベストセラーになれば、少しは考えを変えるかもしれません。(甘い!?)
前回のつぶやきでは、アメリカの地方主権を書きました。
そこでは、地方の「小さな政府」ことがでています。
しかし、「戦争中毒」を読めば、合衆国政府は軍事目的の「大きな政府」になっています。
そのしわ寄せが、「地方」の住民の生活にきていることになります。
(2003年2月13日)
「難民の世紀〜漂流の民」を読んで
これは、豊田直巳さんが書いた本で、写真が半分を占めます。
世界各地の難民を、実際に行って取材しています。
取り上げられた難民は、パレスチナ難民、コソボ難民、ボスニア難民、インドネシア難民、ブータン難民、カンボジア難民、北朝鮮難民で、このうちカンボジアと北朝鮮を除くと、すべて「民族浄化」を目指した結果であることがわかります。
民族浄化が行われる前、つまり民族主義があまり盛んでない時期には、これらの地域では、さまざまな民族が和を保ち、仲良く暮らしていました(当然ささいな対立はあったのでしょうが)。
ところがあるきっかけで、隣人同士が敵として戦わなければならない事態に陥ったわけです。
そのきっかけはさまざまあり、このうち先進国(といっても欧米、特にアメリカ)が関与しているのが、パレスチナ、コソボ、カンボジア。
間接的にはボスニア、北朝鮮もです。
多民族国家として繁栄をしているアメリカが、自国の国益のために民族主義を煽っているのは、もう非難されるべきものを通り越して、ずるいと形容したほうがいいですね。
あれ?今日もアメリカを非難してしまいました。
ん?
せっかく「アメリカ」を「アメリカ合衆国政府」と書くと宣言しておきながら、また「アメリカ」と書いてますね。
長いのでアメリカと略させてください。
アメリカ人の方々に失礼ですが、お許しを!
アメリカだけでなく、日本も非難されなければならないようなことをしています。
その例を書きますが、まずそこで、ブータン難民について説明します。
ブータンは、ドルクバ民族、ガロップ民族、ロシャンバ民族などの多民族国家で、国王はドルクバ民族。
1987年に政府の不正を暴いたのが、ネパール系ブータン人であるテク・ナット・リザル氏。
さらに、1988年に国勢調査をした結果、ドルクバ民族が少数派になる可能性があり、それを受けて政府は、ドルクバの言葉であるゾンガ語の強制、ドルクバ民族衣装の強制をしました。
それに対し、人々が民主化要求したら、その人々を「ネパール人」とみなし、組織的に強姦、虐殺などを含む民族浄化を行いました。
その難民がネパールに流入しています。
1999年、ネパールが、国連総会でブータン難民を取り上げると、ブータン政府は、それを機会にようやく難民問題をネパールと話し合い始めました。
この一連の動きに日本政府はどう対応してきたか?
次に引用します。
日本の外務省は今も「現国王は前国王が布いた近代化、民主化路線を推進する一方、国家開発計画に意欲的に取組み国民一般の信望は厚く政情は安定」(外務省のHPより)と評価している。同じ日本人の緒方貞子さんが、国連難民高等弁務官としてブータン政府に難民問題の解決を強く求めていたのに、である。
こうした君主制国家、プータンへの日本の「理解を示す」姿勢は、60万人の国民に対して2000年までに約250億円ものODA(政府開発援助)を供与するという事実として表れている。ブータンが外交や軍事をゆだねる特別な関係にあるインドを除けば、日本はブータンの最大の援助国なのである。ブータン国民一人当たり約4万1千円という援助額は、ブータンの一家族の年収を超える。それでも、その援助が、ブータン政府の進める偏狭なドルクバ民族中心主義を克服して、難民の帰還を受け入れ、平和裡に多民族共生の社会をつくっていくことに役に立つならば、私には理解できる側面もある。
しかし、ブータン国立銀行の行員だった難民は「援助は政府の高官を富ませるだけで、地方に住む普通の人々のもとには届かない」と言い切った。残念ながらここでも、日本の援助が支配者を富ませる一方、より弱い立場の人々がそのツケを払わさせられ、貧しい人々をより貧しくさせているようだ。
(「難民の世紀〜漂流する民」p136)
外務省のサイトをのぞくと、確かにブータンのことが書いてありました。
難民の発生原因も載っていましたが、どうような民族浄化が行われたかについては載せてません。
知っていても載せないのだと思いますし、知らないなら外務省の職務怠慢ですね。
この本では、さらに、インドネシア難民の発生地域で、日本の関わりが指摘されています。
インドネシアの国内避難民(と本では書いています)はどのように生まれたか?から始めます。
東ティモールの虐殺は有名ですが、その他に、アチェ、というところでも虐殺が起きました。
この背景には、イスラム教とキリスト教の宗教対立があるわけですが、ある時、単なる両教徒の金銭トラブルから大きく発展したとされています。
それ以前は、非常に仲良く両教徒は暮らしていました。
実際に、「イード(イスラムのお祭り)にはキリスト教徒だろうと招いたし、クリスマスには招かれた」とたくさんの現地の人々は証言しています。
これらの騒動を鎮圧するのにインドネシアの軍隊が活躍しました。
というより、これを契機にインドネシア国軍が再生された、と言ったほうがいいかもしれません。
この一連の宗教対立でもっとも得をしたのは軍隊であり、インドネシア国軍のやらせではないかと疑う人もいます。
で、このインドネシア国軍は、アチェでひどいことをしています。
アチェと日本の関わりもいっしょに、次に引用します。
マルク諸島の惨劇が国軍による「間接的な虐殺」なら、アチェ特別州で起こっている事態は、国軍による「直接的な虐殺」である。
(以上、前掲書p119)
(中略)
アルバディッドという小さな村からの避難民は「アチェには天然ガスはあっても正義はない。人々が自由や独立を求めているのは、そのためです」と説明する。じつは、アチェの天然ガスのほとんどは日本で消費されている。そのために日本が318億円ものODA(政府開発援助)を供与して、ここに液化天然ガスの精製プラントを建設しているくらいだ。しかし、先の村人は「ここには仕事もないし」と、人々が正義を求める理由を続けた。プラント建設によって村人が土地を追われたり、漁民がプラントの温排水などによって漁に大打撃を受けることはあっても、利益の配分にあずかることはなかった。
(以上、前掲書p121)
(中略)
アチェ人権NGO連合の調整官マイムル・フィダルさんは、日本の市民団体の招きで来日した際に、驚くような数字をあげて報告した。「アチェが国軍のDOM(軍事作戦地域)に指定されていた89年から98年の間に、(死者だけで)7,000名以上の犠牲者がでました。そしてGAM(自由アチェ運動=政治、ゲリラ組織)と国軍の停戦期間中の国軍の停戦違反は87%にものぼり、DOM時代と同じ状況が続いています。今でも毎日3名もの人が死んでいます。女性も、一般市民も。昨日も20名もの人が殺されています。
(以上、前掲書p122)
この内容は本当にひどいもので、あとは自分で読んでください。
私たちはこのようなことを全く知らされていませんでした。
インドネシアといえば、東ティモールの独立がどうのこうの、だけですね。
外務省のサイトには、この悲劇の後のことが書かれています。
試しに読んでみてください。
それが信用できるかどうか、そして実際にはどうか、ということは別にして。(私は行っているわけではないし、知り合いもいるわけないですから、わかるわけないですが)。
最後に、9.11テロの報復戦争で、さらに増加したアフガニスタン難民について、17年間アフガニスタン難民への支援を続けてきた中村哲医師の重い言葉を紹介して終わりにします。
「爆弾を落とされるお百姓さんたちはたまったものじゃない。ニューヨークで死んだ人の死を悼むと言いますが、こっちの人の死は悼まないのですか。この間の飢饉で死んだ100万人の人々の死は悼まないのですか」
(前掲書p14)
(2003年3月15日)
補足説明
外務省サイトの「各国・地域情勢」にある、ブータン情勢については、少し書き換えられていて、暴力を伴った民族浄化のことは書いていません(ある意味当然か!)。
また、インドネシアの情勢について見てみると、天然ガスの日本の依存度は、世界第1位であることがわかります。
(2003年12月6日)
鈴木明さんのコラム「波」より
今日は、オタク雑誌ラジオライフ3月号のコラム「波」からです。
筆者は「南京大虐殺のまぼろし」を書いた方です(あるバカどもが、その題名を「南京大虐殺はまぼろし」と勘違いして読み、それで「南京大虐殺はなかった」と政治利用するようになりました)。
それでは「波」の一部を転載します。
が、最初に言っておきます。
この事実をページに載せたから、お前は戦争賛成とか(旧来の)右左とか、という話はナシです。
事実から読者自らの考えを派生させてください。
3月号のコラムは映画「東京裁判(小林正樹)」と「ニュールンベルグ裁判(スタンリー・クレイマー)」の内容です。
最初に「東京裁判」からで、場面はその開廷のところです。
しかし、この後、冒頭陳述において日本側弁護団を驚かせたのは、アメリカ側から送られてきた弁護士の演説であった。実質的に主任弁護士を務めたブレーニー弁護士は、次のような激しい言葉で判事たちを驚かせた。
「戦争そのものは決して犯罪ではない。かつての歴史を振り返ってみれば、あらゆる国際法は国家利益の追求のために戦争を引き起こしたことを非合法としたことは1度もなかった。それに、罪を問うのは国家に対してであり、個人に対して行うものではない。また、戦争において行われる殺人は罪には問われない。真珠湾では多くのアメリカ人が死んだが、もし彼らの殺害を犯罪とするならば、ヒロシマに落とした原子爆弾で何万人もの市民の生命を奪ったことも犯罪ではないか。私はその落とした人を知っている。名前をいうこともできる。もし平和に対する罪、人道に対する罪を罰するとすれば、この人たちも罰しなければならないのではないか」
法廷は騒然となり、清瀬一郎以下の日本側弁護団の間でも私語が交わされる。実は「ニュールンベルグ裁判」でも、マクシミリアン・シェルの弁護士の口から「原爆投下は戦争犯罪ではないのか」という言葉が出る。
ウェッブ裁判長は直ちに閉廷を命じ、小林正樹は「ウェッブは、前日のブレークニーの発言はこの裁判とは何の関係もないものだから、すべてなかったこととして、あらゆる速記録から抹殺するといった。日本で発行されているすべての東京裁判記録にこの言葉が書かれていないのは、そのためである」というナレーションを入れている。
(「ラジオライフ」2003年3月号p104)
次にナチス・ドイツ戦犯の裁判映画「ニュールンベルグ裁判」のラストシーンの場面です。
映画の中で、マクシミリアン・シェル扮する弁護士は最後の言葉としてこういったのである。
「ヒトラーが政権の座に就いた時(ナチス党は選挙によって第1党となった)、ドイツには失業者があふれ、生活はどん底であった。この時ヒトラーに投票したすべてのドイツ国民は犯罪者なのか?ソ連は1939年にドイツと不可侵条約を結び、これが第二次世界大戦の引き金になった。ソ連に戦争犯罪の責任はないのか?ローマ法皇庁はヒトラーと約束を交わし、その存在を黙認した。ローマ法皇庁は?チャーチルは1938年、1938年にですよ、イギリスにもヒトラーのような強い指導者が必要であるといった(第二次大戦が始まったのは1939年)。チャーチルに責任はないのか?アメリカの大資本家たちはヒトラーの再軍備に大金を融資して大儲けをした。彼らは無罪なのか?責任はドイツだけにあるのではない。全世界が責任を負うべきなのである・・・」
(前掲書p104)
「全世界が責任を負うべき」ならば、つまりは戦争を抑止する方向に動きべきだと、暗に指摘しているんじゃないでしょうか。
他の方々はどう解釈するかは勝手です。
(2003年3月29日)
ブッシュは科学の敵
「ブッシュはアホだ」ということが、アメリカ史上最高機密である、とささやかれているとおり、ブッシュの科学に対する不見識ぶりを、あの「WORLD・WATCH」誌が記事にしています(1/2月号)。
あまりにひどすぎるブッシュの科学の事実に対する暴挙を、非難している文章があるので、ここに一部転載します。
題名は「ブッシュの科学に対する相対主義」です。
政治的な決断によって、技術をおぞましいものに変えることはできるが、科学的発見を変えることはできない。少なくともこれは、私たちが科学の先生から教え込まれたものだ。しかしながら、現在のアメリカ大統領によって変えることができると思い込んでいる。
ブッシュ政権は、さまざまな分野で、科学的発見を改ざんしたり、隠したりしようといている。アメリカ内務省(DOI)の地図製作者が、ブッシュ政権の北極圏野生動物保護区での油井掘削計画ではカリブーの繁殖地が消失することを示す地図をDOIのウェブサイトに載せたとき、その地図製作者は解雇され、地図は削除された。また食品医薬局(FDA)の専門家委員会が、(遺伝子検査について)ブッシュ政権にとって好ましくない発見をしたときは、最終報告書の発表前に委員会を解散させた。保健社会福祉省(HHS)の研究グループが、ブッシュの支持基盤であるキリスト教右派にとって気に入らない発見をすると、そのグループもまた解散させられた。HHSのたの研究グループが、環境化学物質の人体への影響という気がかりな事実に気づき始めたときは、メンバー18人のうち、15人が異動させられた。
(「WORLD・WATCH」2003年1/2月号p4)
このあと、すぐにイラク攻撃に関連します。
そして2002年、ブッシュは、サダム・フセインが深刻な脅威をもたらしているため、アメリカは緊急にイラクを攻撃する必要があると決断したが、記者からどのような脅威の証拠があるかと問われると、何も示せなかった。さらに驚くことには、ブッシュはそのことに動じていないようであったのだ。彼は傲慢にも、攻撃の自制を求め、まず査察の開始を望む国連安全保障理事会に対していらだった。(中略)
証拠が人のおもいどおりになるのなら、もはや客観的な真実は存在しない。そして、説明責任ももはや存在しない。真実の説明かうそかを見分けることは、もはや意味がない。
(前掲書p5)
イラクは敗戦しましたが、アメリカに対するイラクの脅威の一つに、大量破壊兵器と生物化学兵器にあったはずです。
その証拠がイラクから出てこないので、今度はシリアを疑っています。
ブッシュは「事実」には目を向けず、決して「事実」とは言えない「疑い」には、軍事行動に平気ででるわけです。
これが本当に世界覇権国の大統領の姿なのでしょうか。
結論を言えば、やはりブッシュは大統領の器ではなかった、というよりも、普通の社会人としての資格もない人間なのでしょう。
それをだまされて選んだアメリカ国民はなんと不幸なことか!
(2003年4月15日)
ラジオライフ7月号、8月号より
まず最初にこの雑誌の「新聞キリヌキ帳」から引用です。
この「新聞キリヌキ帳」は、新聞記事のキリヌキ(コピー)で、つまりコピーのコピーということになりますね。
題名は「うっかり焼却炉へダイナマイト爆発」。
2003年2月10日午前7時ごろ、大分県中津市の土木建設会社の敷地内で、同社の社長がゴミと一緒に燃やしていたダイナマイトが爆発し、振動などで周辺住宅7軒の窓ガラスが割れた。幸いにも近くにいた社長を含め、けが人は出なかった。
大分県警中津署は、火薬取締法違反の疑いで調べている。
ダイナマイトは長さ約25cmで5,6本あり、工事現場で発破用に使用した残りだったという。同社長は「起爆装置がなく、普通に燃えると思った」と話している。(2003年2月11日/朝日新聞)
(「ラジオライフ」2003年7月号p133)
お笑いのネタになりそうな事件ですが、ダイナマイトを燃やす、という勇気ある行動をとる人は、なかなかいないと思うのですが(笑)。
こんな社長に使われている従業員は、ものすごくツカレタでしょう、きっと。
さてと。
次は本題。
鈴木明さんが書いているラジオライフ名物のコラム「波」で、ルーズベルトの批判を何ヶ月か続けてやっていました。
中でも真珠湾攻撃のことを2ヶ月続けてやっています。
これらを抜粋して引用します。
長くなりますが、おもしろいので読んでください。
今日は終戦記念日ですから(関係ないですが)。
<日本に真珠湾を攻撃させる>
ルーズベルトは当初、日本をはじめとするアジアには全く関心がなかった。しかし、満州事変の頃から日本の動きに目を向けるようになり、妻の父が中国貿易で大儲けしたこともあって、日本に厳しい目を向けるようになった。
(中略)
ルーズベルトは、日中戦争が進むにつれ「何としてもアメリカがこの戦争に参加すべきだ」と思うようになり、自らその先頭に立った。しかし、アメリカ国民のほとんどは戦争に反対だった。にもかかわらず、ルーズベルトは、いかなる手段を使っても「日米戦争」をやらなければならないと考えていた。
ヨーロッパでは1939年9月に第二次世界大戦が始まり、日本はドイツとイタリアと三国同盟を結んだが、この年の11月、ルーズベルトは3選を果たした。その時の公約は「アメリカの若者を戦争には出さない」であった。
そこで、ルーズベルが最後の切り札として考えたのが「日本軍に真珠湾を攻撃させる」という奇策だったのである。
後にイギリスのBBCテレビは「どのようにしてルーズベルトは日本に真珠湾攻撃をやらせたか?」という、1時間の特集番組を放送している。興味深い内容なので触れておこう(以下の「」の中はBBCテレビの見解である)。
「イギリスのチャーチル首相は、日米戦争が起きるとしたら、それは日本の真珠湾攻撃しかないと予言していた。アメリカは1940年に日本の暗号パープルコードの解読に成功しており、これを”マジック”と呼んでいたが、JN25という日本海軍が独自に使っていた暗号は実に巧妙にできていて、解読することができなかった。ところがイギリスには、日本海軍と親交があり、なおかつ日本語もできたネイヴという情報局大尉がいた。ナネイヴが日本海軍将校と一緒に写っている写真も残されているが、彼のお陰で、イギリスはいち早くJN25の暗号文を解読することに成功した。
その頃、山本五十六の頭の中にも、日米戦争が始まるとするなら、日本が最初に真珠湾を攻撃するのが1番有効な方法だというアイディアがあった。それは1940年11月、イタリア南部のタラント港にイタリア海軍の艦隊が集結している時、イギリスの攻撃機が夜間奇襲攻撃をかけ、それによってイタリア海軍の主力が30分余りで潰滅してしまったことを知っていたからである。山本は日米開戦主義者ではなかったが、作戦家としては非凡なものを持っていた」
<見放された2人の司令官>
ハワイに、キンメルとショートという2人の将軍が太平洋地区の最高指令としてやって来たのは1941年1月のことである。キンメルはアメリカ海軍の中でも最もすぐれた将軍の1人で、その作戦能力や専門知識は、すべての海軍軍人がみとめているほどであった。
キンメルは真珠湾を守るにはそれなりに防衛能力が必要だと考えていたが、なぜか真珠湾にいた有力な戦艦や空母は、”ヨーロッパ戦争のため”という理由で、次々と真珠湾から去っていった。また、キンメルにとって、これと同じくらい大切であるはずの暗号傍受施設がハワイにはなかった。
実はアメリカ海軍にとって最も重要な施設は、サンフランシスコ・マーケット通りにあるビルの最上階にあった。スパイなどは周囲に気付かれないような格好でこのビルの裏口から出入りし、そこで得た情報はすべてワシントンの参謀本部に送られたいた。
これらのことを全く知らされていなかったキンメルは、ワシントンに対してペンとインクでメッセージを送り続けていた。しかし、ワシントンからは一向にいい返事はなかった。ハワイにあった唯一の情報機関には、日本海軍はまだ呉と横須賀にいると報告されていたのだ。
12月2日、”ニイタカヤマノボレ”という日本の暗号をサンフランシスコでキャッチした時、アメリカは日本がいよいよ開戦を決意したのだと確信した。ワシントンは、日本海軍がハワイの北、約2,700kmのところまで迫っていることを既に知っていた。
となると、知りたい暗号は”何時にハワイ攻撃が行われるか”ということだけだった。ワシントンが”東の風 雨”という暗号をキャッチしたことで、ハワイ時間の早朝に真珠湾が攻撃されることが確定的となった。
何となく不安を感じたキンメルはマーシャル総司令官に対して何回か電文を送ったが、返事はいつも「今、ハンティングに出かけているためおりません」だった。
ハワイ時間の12月7日早朝、ワシントン時間の午後2時、日本による真珠湾攻撃はついに行われた。
BBCテレビ制作のこの番組は、次のような言葉で終わっている。
「真珠湾は計画的なだまし打ちというわけではなかった。キンメルとショートは翌年2月28日に退役処分となったが、2人の名前は、アメリカの歴史の記憶としていまだに残っている」
(前掲書p104)
続けます。
ルーズベルトは、ハワイの司令官2人を騙し続け、日本の真珠湾攻撃を「リングに上がった2人のうち、日本は片方(アメリカ)がまだコーナーで準備している時、突然殴りかかってきた」というイメージをアメリカ国民の心に植えつけることに成功した。しかし、本当の仕上げは、実は日本側の手落ちにあったのだ。日本はアメリカの日本大使館に向かって、「日本は正式に、アメリカに向かって宣戦布告する」という秘密電報を、日本がハワイに攻撃を行う少なくとも2時間前には、通告していたのに、結果的に守られていなかったのである。
日本がハワイを攻撃したのは日本時間12月8日の「未明」。これはハワイ時間の夜明けとほぼ同時で、さらにワシントン時間にすると12月7日午後1時過ぎということになる。しかしワシントンの日本大使館は、前日の夜に職員の結婚式があり、朝、職員が事務所に行くと、細かく書かれた暗号文が積み上げられていた。
宣戦布告の暗号文だから、これは1字の間違いも許されない。まず日本文が完璧に訳され、これを馴れない職員が英文タイプで打ち込むのにはかなりの時間を要した。ワシントンの来栖、野村両大使がアメリカ国務省にこの文書を持っていった時には、日本のハワイ攻撃は既に始まってから1時間近くも経っていた。
<ルーズベルトの大芝居>
宣戦布告文を持っていった日本大使に、国務長官ハルとルーズベルトは、机を叩き怒り、「かくも欺瞞に充ちた恥ずべき文章を、私は生涯で体験したことがない」と怒鳴りつけた。CBSネットワークの有名なニュースキャスターであったエド・マローはこの時の様子を直ちに知り、「私は大統領、国務長官の怒りを見て、如何なる名優でも、あのような演技はできないと驚かされた」と公言している。
そして、それが「演技」であったことは間違いない。なぜなら前号にも書いた通り、アメリカは1年以上前に日本の暗号文の解読に成功し、「マジック」という名前を付けていたのだ。ルーズベルトは日本が真珠湾を攻めることを熟知しており、彼の演技は真に迫るどころか、真を超えたものであったに違いない。
この日から、10日も前に「ハル・ノート」といわれるものが国務省に3通用意されていた。1つは日本が日独伊3国協定を破棄し全中国から(但し、満州を除く)撤退することがアメリカの条件であるというもの、第2はさらに期日などの厳しい条件を付けたもの、第3では「満州を除くという但し書きを削除したものである。アメリカは「満州」の文章を入れない方が確実に日本は攻めてくるであろう、という確信のもとに、はじめから「第3」のノートを日本に送っていた。
これを受け取った日本の方も「全中国」とは満州を含むものかどうか疑念を持つ者もいたが、首相の東条英機は「12月8日早朝(7日のアメリカは日曜日)を除いてチャンスはないと決定し、予定通り「真珠湾攻撃」は行われた。
(中略)
<ルーズベルトと北方領土>
ルーズベルトが日本に残した1番大きな「悪のプレゼント」は日本の北方領土の問題である。スターリンは日露戦争の結果、ロシアが正式に日本領と決めた南カラフトや明治8年以来決まっている南千島のすべてを、「ソ連領」にしたいと思っていた。しかし、ソ連と日本はkの時はまだ不可侵条約を結んでいたので、仮に南千島をソ連領としたら、国際条約の上からいって違反行為である。しかしルーズベルトは1本のタバコよりも無造作に「そんなものでいいなら軽い条件だ。それより一刻も早く日本と戦いを始め、アメリカの負担を少なくしてくれ」といった。ルーズベルトはカラフト、南千島などの勉強は全くしていなかった。そればかりか、南満州鉄道と大連の要港を中国とソ連が共同して使うことも密約し、余力を原子爆弾の完成に注いだ。
ルーズベルトについては改めて書こうと思うが、今回はこれで終わりにする。
(「ラジオライフ」2003年8月号p112)
この記事を載せた意図は、決して旧日本軍の行動を正当化しようとするものではありません。
アメリカの戦争の口実を作る巧妙な手口は、現在のアフガニスタンやイラクに始まったものではない、ということを示したかったのです。
このような戦争誘導戦略は常に行われており、真珠湾の場合、「リメンバー・パールハーバー」という迷文句をアメリカ国民の頭に叩き込みました。
この言葉を、そっくりそのまま、アメリカ大統領にお返ししましょう。
当時のアメリカ政府は真珠湾攻撃を知っていて、真珠湾攻撃を全く防ごうとしなかった。
これは厳然たる事実です。
恐ろしいことに、この真珠湾攻撃の背後事情は、9.11米中枢同時テロに酷似していることで、もしかしてCIAはテロを明確に事前に知っていて、それを防ごうとしなかったのではないか、という疑いまで出てきます。
真珠湾の犠牲と同じように、3,021人の犠牲でもって、アフガニスタン攻撃の理由付けにしたのかもしれません。
もっと恐ろしく予測するならば、CIAを使って、アメリカ国内あるいは他国で偽装テロを起こすかもしれません。
CIAとは単なる情報機関ではなく、諜報活動、つまり政権転覆活動をしているわけですから。
もうこうなると、どれが何が真実かわからなくなります。
いやな時代になったものです。
日本では南京大虐殺がなかったとし、太平洋戦争を正当化しようとするバカモノどもがいます。
中には、真珠湾攻撃のこの事実を反撃材料として使ったりする人もいて、私は怒りを感じます。
ルーズベルトの行為を悪辣だということが、日本軍の行為を正当化する理由には全くならない。
仮に南京大虐殺が全くなかったとしても、日本の戦争行為は正当化されることはない。
大東亜共栄圏の思想も比較思想であるにすぎず、日本が大東亜共栄圏を達成したなら、本当にアジア地域の諸民族が自立ができたであろうか?
その辺を考えれば、当時の日本の戦争思想は否定されるべきであると思います。
現代社会のおいても「自立」は最も重要なキーワードであり、それは自らの手で成し遂げるべきあり、他国に干渉されるべきものではないでしょう。
それは、アメリカが独立した経緯を見れば明らかなはずです。
(2003年8月15日)
劣化ウラン弾
今日の岩手日報朝刊で、イラクの劣化ウラン弾の恐怖を、慶応大学助教授の藤田祐幸さんが一問一答式に答えています。
まずは、新聞のコピーです。
−調査で使用を確認した劣化ウラン弾の数は。
「バクダッドの計画省裏庭だけで、二十数発の劣化ウラン弾を確認した。うち一発からはバクダッドの自然環境値の三百九十倍の放射線を計測した。また、イラク南部バスラではヘリなどから発射された劣化ウラン弾が埋没した跡を舗装道路上で多数見つけた。このほか、劣化ウラン弾特有の直径十aほどの貫通孔がある破壊されたイラク軍戦車をバクダッドやバスラで計八台確認した」
−劣化ウラン弾の人体への影響は。
「イラク国内で障害児の出産や子どものがんなどが急増しているのは紛れもない事実。他に原因が考えにくく劣化ウランが原因と考えるべきだ」
−人体への影響のメカニズムは。
「大気中に浮遊する酸化ウランが付着したチリを吸い込むこと、土中に酸化ウランがしみ出し、飲料水などを通じて体内に入ることなどが考えられる。ウランには放射性毒性と金属毒性があり、毒性が相乗されている可能性がある」
−自衛隊が派遣された場合の影響は。
「汚染地域の空気を吸うだけでも、住民と同様の健康被害を受ける可能性は十分ある」
−米軍は人体への影響を否定しているが。
「米軍はとっくに知っているはずだ。米国内の演習で米軍が決して劣化ウラン弾を使用しない事実だけでもそれを裏付けている。ただ、健康被害のメカニズムの詳細については、まだ解明されていない部分が多いことも事実。これまでの物理学の常識では、環境中のウランが、これほど深刻かつ大規模な被害を人体もたらすとは考えにくい面もあった。放射線の外部被ばくが中心だった広島、長崎や、セシウムやストロンチウムのような極めて放射性毒性が強い物質が放出されたチェルノブイリ原発事故とも違う形の放射能被害だ」
−取るべき対策は。
「チェルノブイリでさえセシウムなどの半減期から計算して約三百年で環境への影響が消えるのに対し、ウランの半減期は四十五億年で、ほぼ永遠に汚染が続く。広島原爆に使われたウランは約十`だったが、イラクにばらまかれたウランはトン単位だ。一刻も早くイラク国内に残る劣化ウラン弾を除去すべきだ」
(2003年11月15日付「岩手日報」5面)
確か、アメリカがイラクに対して疑ったものの一つに「化学兵器もあるはずだ」としていたはずで、米軍兵士が防毒マスクを用意しているシーンをテレビで放映していました。
そんなものは未だ発見されておらず、逆に永久的に残る史上最悪の毒をイラク国内にばらまき、世界の人権を守るために他国に干渉し続けるアメリカは、毒をばらまくことによって、逆に人権を踏みにじっています。
よく考えれば、劣化ウラン弾は生物化学兵器の一つか、あるいはそれ以上の、人道上使ってはならない兵器の一つと言えます。
(2003年11月16日)
不発弾の所有者は誰なのだろう?
第2次大戦時にアメリカ軍の投下した爆弾の不発弾が発見された、とあちこちでニュースになりますが、処理の難しいものは、今まで海洋投棄をしていたらしいのです。
旧ソ連が日本海に核廃棄物を捨てていたのに比べれば、驚くに値しないのですが、何となく、漁業者としてはイヤなものです。
さて、それが今後、海洋投棄できなくなるようです。
その記事を以下に引用します。
廃棄物の海洋投棄を全面的に禁止するロンドン条約「96年議定書」が早ければ2004年にも発効する。
このために、日本が海に捨てている第2次世界大戦時の米軍による不発弾が、処理できなくなる恐れが出てきた。
日本が、議定書を承認すれば、新たな不発弾処理施設が必要になる。現在は不発弾処理についての責任省庁が存在せず、施設整備のめどが立たない状態。
そのため、環境省は2003年9月16日に中央環境審議会の専門委員会で、防衛庁を含む関係省庁から詳細を聞き、対応を検討する方針。
ロンドン条約は有機ハロゲン化合物や、水銀などの投棄禁止物質を定め、それ以外の投棄を認めている。
これまで、不発弾は廃火薬として投棄できたので、処理施設がない日本は海に捨ててきた。「96年議定書」は投棄を全面禁止し、下水汚泥など7種類だけを「例外的に投棄を検討できる廃棄物」として定めるもので、不発弾は投棄禁止となる。
日本では毎年60〜100トンの不発弾が見つかっているが、そのほとんどが米軍のもの。4割が本土戦前に激しい爆撃を受けた沖縄県に集中している。
通常、不発弾は警察の協力要請を受けて自衛隊が処理する。しかし、解体処理の難しい、さび付いた大型爆弾や焼夷弾、毒ガス弾などの特殊弾はコンクリートで固め、指定海域に捨てている。
防衛庁は、不発弾処理は「あくまで処理能力の範囲内での協力」との立場で、海洋投棄禁止後に処理施設整備を引き受ける考えはない。条約を所管する外務省、条約の承認に向けた国内法制を担当する環境省も同じ立場だ。
昨年夏、関係省庁が連絡会議を設けて調整に入ったものの結論が出ず、今年に入ってからは不発弾の投棄作業を中断している状態。
議定書が発効しても承認しなければ順守義務は発生しないが、環境省は「条約加盟国として、責任が問われるのは避けられない」と話している。(2003年9月14日/朝日新聞)
(ラジオライフ2004年1月号「新聞キリヌキ帳」p133)
この条約自体、私を含め、漁業者にとっては、喜ばしいことです。
しかし、不発弾の行方は?
爆弾というものは、落としてしまえば所有権は落とした国土へと移動するのでしょうか?
落とす前は確実に持ち主ですが、落として爆発すれば爆弾は消えます。
しかし、不発弾となればどうなるのか?
これ、誰か知っている人がいるのでしょうか?
疑問だらけの文章となってしまいますが、聞いたことないですね。
中国で問題になった旧日本軍の化学兵器でしたっけ?この問題は現日本政府が対応することになりましたよね。
しかし、戦争責任の延長みたいなことだけ言って、この時も所有者云々はなかったような気がします。
不発弾も持ち主に返せばいいような気もします。
例えば、車をその辺に放置すれば、当然駐車違反などに問われたりしますし、密入国者だって、強制送還されます。
放置物質が危険物となれば、なおさら、「強制送還」してもいいと思います。
ちょっと論理が強引でした?
今日のは。
同じ論理ならイラクの劣化ウラン弾も、アメリカは回収義務が生じます。
ん〜?
(2003年11月28日)
ブッシュの罪
イスラム世界の複雑の事情、そしてイラクの建国事情をまったく無視し、さまざまな押し付け的なことを要求し、さらには言うことを聞かないから殺してしまえ!的な傲慢な態度で、戦争を起こす。
まさに、今書いた文章がその通りである、と思えるような文章が「WORLD・WATCH」9/10月号に載っていました。
「FROM READERS」の欄に、つまり、読者の欄に、次のようなことが書かれています。
◆ワールドウォッチにしては政治色が濃すぎる
7/8月号の「Note From a Worldwatcher」に掲載された「大量破壊兵器」の記事は(執筆者の名前が記されていなかったので、おそらく編集者の
論説であろう)相変わらず政治色が濃く、そのため私の貴誌に対する敬意も失われつつある。
近いうちに、貴誌の請願書も、知名度の高い他の環境団体の請願書と同じようにゴミ箱に捨てられてしまうだろう。論争することには構わない。政界では、勝つために論争術が必要とされる。だが、これによりバランスが失われた結果、貴誌は、最初から最後まで通読したいと思う雑誌ではなくなった。
イラク戦争に反対する人の多くがそうであるように、貴誌もまた、アメリカだけに焦点を当て、邪悪なフセインとバース党の支配体制には言及していない。思想と言論の自由を享受している貴誌のスタッフも、崩壊以前のイラク政府の支配体制には間違いなく何らかの嫌悪感や恐怖心を抱いていたはずである。
また、認めるか否かにかかわらず、民主主義が環境を保護する上で最適の体制ということも理解しているに違いない。いかなる状況にあっても、災害や失敗は起こりうるが、言論の自由や民主的な政治体制が確保されていれば、失敗に気づき、是正措置を取ることができる(好例として、ラブキャナル汚染事件と汚染除去のためのスーパーファンド法がある)。
私は、先制攻撃を支持しているわけではなく、またブッシュ政権を擁護しているわけではない。ブッシュ政権は石油の利権にこだわり、必要と思われる環境政策を実施していない。だがそれでも、イラク攻撃を正当と考えるいくつかの理由がある。最大の理由が環境の保護である。的外れと思われるかもしなれいが、「環境を軽視し、されに石油によって獲得した多額の資金を用い、環境破壊を進めたフセイン政権を打倒した」のである。フセインはイラク南部の湿地帯の水を流用し(本来の用途に使用せず)、クウェートの油田に火をつけ、イラク国民に対して大量破壊兵器を使用した。動機は報復と権力の保持だった。
貴誌は、ブッシュ政権がイラクの政権交代を行うために用いた手段ばかり論じている。「嘘もつき通せば、真実になる」という考えには同感だ。だが、ブッシュ政権が誇張したほどには大量破壊兵器の存在が、明白で切迫してはいなかったとしても、やはりその脅威はあったと思う。
フセインが所有していたとされる兵器に関しては誤解や誇張もあったかもしれないが、オランダや、フランス、ドイツでさえ、その存在を信じていたのである。国連の制裁措置が解除された後、大量破壊兵器プログラムが再開されるという疑念もあった。
貴誌には賛同できる記事も多いが、議論されている多くに私は疑念を抱いている。とくに戦争の「機会費用」についてのみ論じられているが、資金を、戦争ではなく他の問題の解決に使ったほうが良かっただろうか?そうであったかもしれない。
政策とは常に予算獲得をめぐって競われるものであり、その中から政策を選択し決定するのが政府の役割である。今回選択されたイラクの政権交代という政策にも、これを支持する確固たる理由があった。環境と同様、治安の確保というのも、健全な社会の繁栄のための基本的要素である。アメリカ政府を非難する記事ばかり書いていると、筆者自らの信頼が失われることになるだろう。
ダグラス・コンドン スターリング、バージニア
◆エド・エアーズより
この記事は論説ではなく私が執筆者です。編集の過程で執筆者名が抜け落ちてしまったことを、お詫び申し上げます。記事の中でアメリカの役割ばかりが論じられ、アメリカが攻撃した邪悪な支配体制について言及されたいないというご指摘はごもっともです。
たしかに、フセイン政権は邪悪といえます。しかし、カンボジアのポルポトも、ナイジェリアのアバチャもリベリアのテーラーも、そのほかの残虐な独裁者も同様に邪悪です。アメリカはこれらの国に軍隊を動員して、国を解放することはありませんでした。
仮にアメリカ人が、解放運動が戦争の正当な理由であると議決したなら、それでも構いませんが、実際、カンボジア、ナイジェリア、リベリアなどと同様、イラクでも解放運動は実現しませんでした。今度のイラク戦争は、民主的な議論やアメリカ国民による決断の結果ではなく、政府の一部が、アメリカに核兵器、化学兵器の脅威が差し迫っていると欺いた結果なのです。
(「WORLD・WATCH」2003年9/10月号p9)
次に「WORLD・WATCH UPDATES」を紹介します。
2003年7/8月号 4ページ
ブッシュが演出した「大量破壊兵器」
対イラク戦争へのアメリカ国民の支持を得るためにブッシュ政権が用いた脅し戦術は、突然、主要メディアの批判を浴び始めた。ブッシュのイラク脅威論の主要な「証拠」―イラクがアフリカでウラニウムを購入しようとしたという主張―がアメリカ中央情報局(CIA)によって作り事として否定されていたこと、そしてCIA長官が個人的にホワイトハウスに、ブッシュ大統領の主張を撤回させようとしていたことが、明らかになったのである。
(前掲書p16)
以上から、CIAがブッシュに対し「証拠」がウソである、と進言していたことがわかり、ブッシュの暴走が明らかにされつつあります。
すでにアメリカ国民から見放されつつあるブッシュは、人気挽回のためにイラクを極秘訪問しました。
一方、ヒラリーの方は堂々と訪問しています。
なんと姑息な手段を使うブッシュでしょう。
アメリカ国民にウソをついてまで戦争をしたがることに驚きを覚え、もし、彼がイラクの地に生まれ、フセインと同じ環境で育ったならば、フセインと同じことをしたかもしれません。
ブッシュとフセイン、キム・ジョンイルの3人は、似た者同士なので、はやり素手で取っ組み合い、あるいは口げんかをさせて、テレビ番組にしたほうが、余程、世の中のためになりますね。
これは先月(10月12日)の「たまに更新するつぶやき」で紹介した記事への批判と回答、そして記事のアップデートでした。
今号の「WORLD・WATCH」では、ものすごく秀逸な記事が散見されます。
「エコファンドの知られざるパイオニア」「『持続可能性』を再考する」の二つの記事は、全部紹介したいくらいです。
(2003年11月30日)
アメリカの情報操作に世界の国はうんざりしている
題名をそのまま付けたいような新聞記事を転載します。
北朝鮮の核兵器開発をめぐるワシントン発のニュースにはしばしば驚かされる。特にことし七月相次いだニューヨーク・タイムズ紙の”スクープ記事”は刺激的だった。
▽北朝鮮はミサイルの搭載が可能な小型核弾道弾頭の製造技術を開発。南北軍事境界線に近い黄海側のヨンドクトンに高度な核実験関連施設が確認された。(一日付)
▽北朝鮮は米国との非公式協議で、使用済み核燃料六個分のプルトニウム抽出を終えた、と伝えた。(十五日付)
▽プルトニウム抽出に伴って出る放射性ガス、クリプトン85が検出された。ガスの発生源は第二の核施設の可能性がある。(二十日付)
だが、韓国政府が、これらの報道を正しいと確認したことはなかった。゙永吉国防相は「北朝鮮の技術で(ノドンミサイルに)核を搭載するのは不可能だ」と議会証言。ヨンドクトンの位置も正確には確認されなかった。
プルトニウム抽出については、高泳国家情報院長が「再処理したのは少量」と議会証言した。
さらに二つ目の核燃料再処理施設の存在について、外交通商省当局者は「仮説」にすぎないと否定した。韓国政府関係者は、ブッシュ政権から出る情報は「いいかげん」と不満を漏らしている。
中央情報局(CIA)など米情報機関がこのほど公開した米議会への報告文書でも、これらの情報は確認されていない。当のニューヨーク・タイムズ紙までが十月中旬、「北朝鮮の核の脅威は不明確」と報じた。
一連の報道が続いた時期、ちょうど中国外務次官らが、北朝鮮の核問題をめぐる六カ国協議の開催に向けてパウエル米国務長官らと密接な協議を進めていた。六カ国協議の開催に反対するブッシュ政権内のタカ派が情報をリークした―との判断で、ワシントンの外交筋は一致している。
こうした情報操作の疑いをかけられているのは、米国家安全保障会議(NSC)の大量破壊兵器拡散担当上級部長を務めるロバート・ジョゼフ博士。レーガン政権の国際安全保障政策担当国防副次官補などを歴任したタカ派の専門家だ。
ジョゼフ部長は、イラクの大量破壊兵器開発をめぐっても情報操作をした、と非難されている。
ブッシュ大統領はことし一月の一般教書演説で「英政府は、フセインが最近アフリカから大量のウランを入手を図ったことを探知した」と述べた。その部分は、ジョゼフ部長がCIAの反対を押し切って挿入させたことが米上院情報特別委員会の調査で明らかになった、と伝えられている。
北朝鮮の核開発についてもいわゆる「裏の取れない」不確実な情報は多々ある。その中から、自分たちの政治的立場に都合のよい情報だけを選んでリークするのは情報操作だ。ジョゼフ部長は”同志”のジョン・ボルトン国務次官らと組んで情報操作を図った、と野党民主党は批判している。次の六カ国協議の前にはどんな情報が流されるだろうか。(共同通信編集委員 春名幹男)
(2003年12月8日付「岩手日報」夕刊4面)
北朝鮮の核武装で、日本にも核は必要だ、と今まで言っている人たちは、アメリカのこの情報操作をどう受け止めているのでしょう。
以前にも書いたと思いますが、危機を煽ることは非常に簡単で、それに反対する言論を論理づけることはいかに難しいことか。
危機を煽るデータの捏造は、アメリカの戦略家にとっては簡単なことらしく、そんなインチキなデータで国民を脅し、防衛予算を獲得していく、あるいは、対北朝鮮政策を強行路線へと導く単純バカ(つまり軍事プラモデルオタク、石破防衛庁長官)が、わが国の中枢にいる、と思うと憂鬱になってしまいます。
記事から分かるとおり、アメリカ国民も、ブッシュの馬鹿さ加減に愛想を尽かし、あの何とかというお菓子でくたばってしまえばよかった、と思っている人もたくさんいると思います。
これでは、利用される米軍や日本の自衛隊がかわいそうで、彼らはウソの上塗りを信じて「人道援助」するわけで、反逆してもおかしくない。
次にバカそうな(一応「そうな」を付ける。フリをしていそうですからね)ラムズフェルドが、イギリスの団体から表彰されました。
次に引用します。
有名人らの訳のわからない言葉を批判している英国の団体が、今年の「大賞」にラムズフェルド米国防長官を選んだ。
イラクについて報道陣に話した「何かが起きなかったという報告は常に興味深い。なぜなら、知っていると知られていることがあるからだ。また、知らないと知られていることがある。知らないことがあることをわれわれは知っているということだ。しかし、知らないと知られていないこともある。知らないことを知らないということだ」とのコメントがやり玉に挙げられた。
「われわれは彼の言おうとしていることを分かっていると思うが、本当に分かっているのかどうか分からない」の同団体の広報担当者。
(2003年12月8日付「岩手日報」夕刊4面)
理解しようと試みても、なかなか難しいラムズフェルドのコメントです。
多分馬鹿なフリをして、その場を逃げたのでしょう。
田中宇さんの先週のコラム(せめて帝国になってほしいアメリカ)のように、アメリカは過去のイギリスのような帝国支配すらする気もなく、他国を陥れるただの覇権国でありたい、という思惑を指摘しています。
これではアメリカは本当に世界中の嫌われ者になりそうです。
今度の大統領選挙で、ブッシュが再選されるかどうか、に、過去に例のないくらい注目が集まるでしょう。
そして、もし、再選されるようでは、アメリカ、反アメリカ、という新しい勢力図が構築されそうです。
(2003年12月14日)
国際刑事裁判所のアメリカ問題
今朝の岩手日報の論説が、珍しく読みごたえがあると思ったら、外部からの論文でした(笑)。
フセイン裁判についてのもので、こちらがリンク先です。
http://www.iwate-np.co.jp/ronsetsu/y2003/m12/r1229.html
読んでみて気がついたことですが、最後の「国際法廷の設置望む」は???なのです。
?を示す文章を以下に引用します。
アメリカは、ほぼ10年間、常設国際刑事裁判所(ICC)の概念について、行政も議会も一貫して一定の興味を示してきた。実際に、1991年の海外事業、輸出金融および関連計画歳出法は、大統領と司法会議に、国際刑事裁判所設置の必要性について連邦議会に報告するよう要請している。
しかしながら、その後アメリカはローマ規定の弱体化をめざし、結局、反対票を投じた7か国のうちの1つになった(他に、中国、イラク、リビア、イエメン、カタール、イスラエルが反対)。規定自体は1998年7月に、賛成120か国、棄権21か国で採択された。
クリントン前大統領は任期末にICCの条約に署名した。それにもかかわらず、続くブッシュ大統領は裁判所を弱体化させ、アメリカ人をその管轄から除外すべく、攻撃的なキャンペーンを展開した。2002年5月6日、ブッシュ政権は署名を撤回した。反対の主な理由として、アメリカ軍が些細なことで裁判の対象になったり、政治的な駆け引きに利用される可能性、およびICCが「訴追の範囲を全く制限していない」ことを挙げている。
2002年8月、ブッシュ大統領は2002年のアメリカ軍人保護法に署名した。この法律は、活動家の間でハーグ侵害法と呼ばれている。この新法はアメリカとICCの協力を禁止し、さらにICCに拘束されたアメリカ人、またはアメリカの同盟国の市民を解放するために、軍事力を行使する権限を付与している。さらに、この方はICC条約批准国への軍事援助を撤回することをも定め、アメリカがICCの刑事免責を得られない場合は、国連平和維持活動への参加も制限するとしている。
アメリカは、安全保障理事会においてボスニアにおける国連平和維持活動の任期延長に対して拒否権を行使し、「アメリカおよびその他ICC非加盟国の平和維持軍の要員に対する訴追は、これを1年間猶予する(実質的にはPKO要員の免責ともいえる)」旨の決議を採択させた。
アメリカは、ジェノサイド、人道に背く犯罪、戦争犯罪の容疑にかけられたアメリカ国民の国際法廷への引き渡しを避けるための刑事免責合意にも署名している。政府は、ローマ規定の批准国であり、かつアメリカと刑事免責合意を結んでいない国に対する軍事援助を停止するという警告をも出している。2002年11月18日の時点で、合わせて15か国が、このような合意に署名している。
(「環境データブック2003−2004」p168)
アメリカがいる限り、まともな裁判が開かれるのは無理なんじゃないかなあ、と思います。
岩手日報の論説では「極東軍事裁判」と「ニュルンベルク裁判」の不当性を書いてますし、また、私のサイトでも似たような指摘を取り上げています。。
また、先日載せた中西教授の解説からもわかるとおり、まずアメリカ主導で裁判が開かれるならば、アメリカの戦争責任は、まず問わないような裁判となるでしょう。
論説を書いた前田さんの「願い」のように、もし、まともな裁判となったならば、私が最高判事になり、フセインとブッシュをテレビの箱の中に入れ、喧嘩漫才をさせます。
(2003年12月29日)
人口問題に無関心なブッシュ、キリスト教右派
最初に予備知識。
キリスト教には、代表的なカトリックとプロテスタント(プロテスタントにもたくさんある)があり、その他にもいろいろあるようです。
ローマ・カトリックの教義の一つに、避妊や中絶の禁止があり、教義に忠実なカトリックの信者は子だくさん。
一方、プロテスタントは、そんな子だくさんのカトリック信者をあまり良くは言わないようですが、カトリックの牧師は一生禁欲ですから、プロテスタントからもカトリックの牧師だけは尊敬されています。
世界中が急進的なカトリックで占められたら恐ろしいですね。
もし今の中国がカトリックの国だったら?
もうすでに、地球の人口は100億を超えていたかもしれません。
あー、恐ろしい!
人権思想の台頭で、女性の権利がどんどん主張されている現在、出産は女性にとって命懸けであることから、子どもを産むか産まないかの選択の自由は、ごく普通の女性の権利となっています。
ところが、キリスト教右派(厳格にローマ・カトリックの教義に従う。狂信的な、と言っていいかもしれません)の票目当てに、ブッシュ大統領は、人工中絶反対を強調しています。
今月送られてきた「WORLD・WATCH」3/4月号によると、アメリカでは、そのキリスト教右派が、人口問題や女性の権利を扱う組織に対して、さまざまな反対キャンペーンを行っているようです。
困ったことに、そのキャンペーンの内容がほとんどデマに近く、裏付けられる証拠もないのだそうです。
たとえば、PRI(Population Research Institute)がC−FAM(Catholic Family and Human Rights Institute)経由で、以下のFAXを各所に送信しています。
このPRIやC−FAMはどちらもキリスト教右派なのでしょう。
フジモリ政権下のベルーで貧しい先住民の女性たちに行われた強制避妊手術に、UNFPAが加担していた、というのである。
(「WORLD・WATCH」2004年3/4月号p22)
これはUNFPA(国連人口基金)の広報局長によると、「完全な作り話」で、国連、特にUNFPAの権威を失墜させるためである、としています。
そして、同じカトリック団体からは、C−FAMに対し、次のような非難があります。
C−FAMは、人工政策やリプロダクティブ・ヘルスの分野における国連の活動の監視を目的に設立されたことになっているが、「自由な選択を求めるカトリック教徒たち」などの団体が行った調査によれば、C−FAMが行っているのは、国連組織に関する誤った情報による組織的なキャンペーンと、会議の妨害と、発展途上国のリプロダクティブ・ヘルスや家族計画の推進に携わるすべての専門機関やNGOに「反家族主義(auti-family)」のレッテルを貼ることである。
(前掲書p23)
リプロダクティブ・ヘルスとは、「性と生殖に関する健康」のことで、詳しくは「Women's Online Media Project」のサイトを見てください(私は詳しくは見てません。笑)。
C−FAMは、どういうわけかユダヤ系アメリカ人にも矛先を向けており、アメリカ国内の中絶、避妊に対する賛否両論は、単純な議論ではないようです。
先ほどのPRIは、UNFPAの資金が中国で強制的な中絶と避妊手術のために使われている、という報告書を発表し、ブッシュはそれを信じ、すでに議会で決定していた2002年のUNFPAへの3,400万ドルの拠出を取りやめました。
これに対し、中国でのUNFPAの行動調査が行われ、PRI指摘の事実はどこにもなかったことが報告されています。
それも複数の国の複数の報告、しかもその調査団の中には保守的なカトリック信者も含まれています。
キリスト教右派は海外にもデマを流し続けています。
面倒なので引用します。
事実、PRIやキリスト教原理主義に関わる団体は発展途上国に人員を直接派遣し、CIAが他国の政府への信頼を損なうために利用するのと同じ手法で、誤った情報を流布させようとしている。3年前にPRIはオースティン・ルースをコソボのブリシュティナに派遣し、UNFPAはセルビア人勢力と結託しており、家族計画のサービスは一種の「民族浄化」という情報を流した。幸い、UNFPAとその支援団体の迅速な対応によって、最悪の状況は免れた。
(前掲書p29)
情報というのは、ホント恐ろしいですね。
入ってきた情報が正しいのか、デマなのか、しかも宗教がからむとなるとますます恐ろしい。
宗教の教義も大切なのでしょうが、厳格すぎると、このように悲劇を生みます。
自分には厳しくとも他者には寛容であってほしいものです。
そうすれば、教義の違いによる同じ宗教同士の争いとかは、なくなると思うんですけど。
以上の問題は、Googleで「人工中絶 ブッシュ」で検索すれば、ぞろぞろ出てきます。
それにしても、この人口問題となると、アメリカはまったくダメですね。
先進国の中で、どんどん人口が増えているのはアメリカだけで、将来アメリカ一国だけで地球上の資源を消費してしまうかもしれません。
一般のテレビ番組でも、アメリカ社会の肥満問題は報道されますし、その元凶としてファーストフード企業もヤリ玉に挙げられています。
自国の資源だけでブクブク太るのは勝手ですが、アメリカの浪費主義は他国資源まで犠牲にしていますから、手に負えません。
「WORLD・WATCH」2004年1/2月号掲載「消費に獲り憑かれたアメリカ人」の「UPDATE」(UPDATEという記事は毎号あります)から引用します。
消費に取り憑かれたアメリカ文化を論じるなかで、トム・ブルーはこう皮肉った。「アメリカよ、太った体で、よたよたと進もうじゃないか」と。我々アメリカ人は太った体を持て余しながら、なおも消費の習慣をやめられないでいるようだ。報道によると、昨年11月、フロリダ州オレンジシティのウォルマートで、発売されたばかりのDVDプレーヤーに買い物客が殺到し、行列の先頭にいた女性を踏み倒して気絶させてしまった。女性はDVDプレーヤーの上で倒れているところを発見されたが、駆けつけた救急医療士の話では、周囲の買い物客は「彼女のことなど、気づいていないようだった」そうだ。
(前掲書p17)
アメリカでは浪費主義が変に進化し、もう他人を思いやる心がなくなったようです。
それは、アメリカ合衆国政府が他国を思いやらない、ということが、ついに一般の個人にまで伝染し、浸透してしまった、と言える現象かもしれません。
私は今、松葉杖を使用して歩いていますが、たいていの人は道を譲ってくれますし、ドアも開けてくれたりします。
日本では、このような善意の行動が、消費主義に席巻されないことを祈ります(主題からかなりはずれてしまいました!)。
(2004年5月14日)
「京都に原爆を投下せよ」
こういう話を聞いたことありませんか?
「京都は文化財などがたくさんあるから、アメリカは京都を攻撃しなかった」
「だからアメリカ人は尊敬される文明人だ」
私の場合、これを誰から聞いたのか、すでに記憶にないんですが、全国的には、やはりあった話のようです。
この尊敬されるべきアメリカ人とは、一般的には「ウォーナー博士」であると言われ、京都への攻撃阻止、そして日本の文化財保護を働きかけた、とされていました。
そのウォーナー博士の記念碑も、次の6つがあるようです。
法隆寺、桜井公園(奈良県桜井市)、霊山歴史館(京都市)、茨城大学五浦美術文化研究所、勝常寺(福島県)、JR鎌倉駅前。
「ウォーナー・リスト」
日本の文化財を救ったという「ウォーナー伝説」は、俗にいう「ウォーナー・リスト」に根拠があったとされ、その正式名称は、「陸軍動員部隊便覧(M354-17A)民事ハンドブック 日本 17A:文化施設」というものです。
このハンドブックは、アメリカのロバーツ委員会で作成されたもので、ランドン・ウォーナーは、この委員会に途中から参加しました。
ロバーツ委員会の目的は、占領地の文化財の保護と返還にあり、「保護」とは、枢軸国によって略奪された文化財と占領地の文化財の両方の保護であり、また「返還」とは、略奪された文化財の返還、さらに、その文化財が破壊や紛失のために返還が不可能になった場合、占領地すなわち枢軸国の文化財での弁償することも含みます。
そのため、文化財リストは、略奪された文化財と、さらに「弁償」分を補うための枢軸国文化財の両方が作成されるわけです。
そのうちの日本の文化財リストが「ウォーナー・リスト」にあたり、ウォーナーは単にこのリストを作成しただけであって(ウォーナーは中国、朝鮮、タイのリストも作成)、京都攻撃阻止を働きかけたわけではなかったのです。
「ウォーナーリスト」には、*印でその文化財の重要度が示されていて、略奪文化財弁償用の基準がつけられていました。
この「ウォーナー・リスト」が空襲と何の関係もなかった例を、次に引用します。
米軍による爆撃によって焼失した日本の文化財は、国宝293件、史蹟名勝天然記念物44件、重要美術品134件であり、合計471件もが灰になったという。先の「ウォーナー・リスト」には15の城が掲載されているが、このうち、名古屋城天守閣、首里城、青葉城など8つもの城が戦火で焼失している。全国に無数といってよいほど多数存在する城のうち、リストに掲載されたのはそのうちの代表的なもの15に過ぎないにもかかわらず、その半数が爆撃によって失われたのである。逆に「ウォーナー・リスト」に記載されなかった彦根城、富山城、丸岡城などの名城は爆撃をうけていない。これでは、爆撃を制限するためのリストであるどころか、爆撃の目標にするためのリストだったのではないかと考えざるを得ないほどである。
また、「ウォーナー・リスト」が実際に何の役に立ったかについては、戦後、占領軍兵士たちが日本を観光してまわる際のガイドブックとして重宝がられたと言われている。
(「日本の古都はなぜ空襲を免れたか」p66)
京都に原爆を投下せよ!
何と!京都が、原爆投下の第1候補だったのです。
アメリカの戦略爆撃調査団の報告書(No.66)は、この点について次のように記している。
「原爆の攻撃目標はワシントンからの秘密指令によって他のいかなる形式の攻撃からも一切除外されていて、原爆の使用に対する効果だけを得られるほとんど無傷の地域であった。」
[USSBS,Final Report No.66:The Strategic Air Operation of Very Heavy bombardment in the War against Japan,1946.]
これで明らかなように、原爆投下目標の<予約>とは、原爆投下用に残しておかれることである。言い換えれば、原爆の威力を測定するために、他のあらゆる形式の爆撃も禁止して無傷の状態にしておくことだったのである。
つまり、原爆投下目標に選ばれた都市には、ワシントンから<原爆禁止命令>が出されていたというのである。
次の文章はその一例である。
これはアメリカ軍統合参謀長会議が、南西太平洋方面軍最高司令官・マッカーサー将軍(Douglas
MacArthur)、太平洋方面軍総司令官・ニミッツ提督(Chester W. Nimitz)、第20航空軍司令官・アーノルド大将(Henry
H. Arnold)に出した6月30日付の指令である。
「新しい指令が統合参謀長会議によって発せられないかぎり、貴官指揮下のいかなる部隊も、京都・広島・小倉・新潟を攻撃してはならない。
右の指令を実行するのに必要な最小限の者たちだけの知識にとどめておくこと。」
[MED・TS]
これこそ、まぎれもなく原爆投下目標に対する通常爆撃の禁止命令であった。これらの都市はこうして原爆投下用に<予約>されていたのである。
(前掲書p97)
京都は原爆“実験”に最適である、とするグローブス少将と、戦後世界を念頭においた国家戦略上、京都案に反対するスチムソン長官とが、最後まで対立します。
アーノルド大将もグローブスに賛成しますが、トルーマン大統領は、戦後のロシアの影響力を考慮したスチムソンを支持し、京都は目標から除外されました。
2発の原爆に対し、予備目標も一つずつ選ぶ必要があったので、この時に初めて、長崎が目標となります。
この時点での攻撃目標は、広島、小倉、新潟、長崎で、長崎に実際に投下されたことを考えると、京都の代わりに長崎が不幸を背負ったと言えます。
さらなる原爆
米軍は、広島、長崎に原爆を投下する前に、「パンプキン爆弾」という爆弾で、原爆投下のリハーサルを行っています。
そして、長崎への原爆投下した後の8月14日、愛知県の春日井市や豊田市に、原爆リハーサルであるパンプキン爆弾投下を行いますが、これは明らかに京都を目標としたものです。
実は、原爆は2発だけではなく、7月の時点ですでに、長崎後の原爆投下作戦が、次から次へと練られていたのでした。
3発目以降を投下する予定であったことはグローブスの次の手紙でもわかる。7月19日、ロスアラモス研究所長オッペンハイマー博士宛の手紙でグローブスは次のように記している。
「当初の計画どおりに、最初のリトルボーイ(広島型原爆)と最初のファットマン(長崎型原爆)を投下することが必要であり、おそらくは2発目のファットマンを投下することが必要でしょう。計画された戦略的作戦と整合させるには、現在の態様で最良の状態にあるファットマンを3発ほどもたぶん投下しなければならないでしょう。」
[『資料・マンハッタン計画』]
ここでグローブスが言う「2発目のファットマン」こそ、3発目の原爆のことである。
(前掲書p203)
15日の終戦がなかったら、原爆列島でした。
引用文からは、4発目もあることがわかります。
恐ろしいですね。
一般のアメリカ人は、この事実を知っているのかしら?
同じアメリカ人が、「鯨がかわいそうだ」なんてよく言えるものです。
ウソをつくアメリカ
「ウォーナー伝説」は、日本人が勝手に美談に仕立てたものです。
が、アメリカは、この美談に便乗し、ウソをついています。
これは、日本人に「米軍美化」「米国美化」の洗脳教育を施す一環で、それを遂行する機関が、民間情報教育局(CIE)です。
以下が、そのCIEのヘンダーソン中佐のウソです。
《ウォーナー伝説》に直接に関わって、ヘンダーソンが残した記録は多くはないが、次の談話は数少ないもののうちの一つである。これは、1946年(昭和21)年1月4日、京都において新聞記者のインタビューに答えたものである。「京都はなぜ爆撃されなかったのか」という問いに次のように答えている。
「合衆国最高裁のロバーツ判事を長とし、日本美術を含む、ロバーツ委員会として知られる委員会は、世界の芸術品を保護するための、特別な諮問委員会であり、この委員会がその問題で重要な役割を果たしたのだ。」
[The Mainichi, 7 Jan. 1946.]
このヘンダーソンの談話は、ロバーツ委員会の目的について虚偽を述べているだけでなく、《ウォーナー伝説》の根拠を肯定したものである。
(前掲書p222)
CIEは表向きの機関であって、これは、本来の機関である民間検閲支隊(CCD)の「付加的」なものであったといいます。
CCDは検閲を通して、原爆報道などによるアメリカの悪いイメージを抑制するためのもので、その実体を覆い隠すために、CIEが活躍したのです。
このような戦略となると、アメリカは上手ですねえ。
ずるがしこい!
記念碑まで建てたのに、「ウォーナー伝説」は真実ではなかった。
建てた人はきっと疲れたでしょう。
それにしても、桜井公園にウォーナーの記念碑が建てられた際、ウォーナーの賛歌まで作られた、というのは、もう、お笑いの域に達してしまいますね。
引用で示している「日本の古都はなぜ空襲を免れたか」の著者は、吉田守男さんという方で、大阪樟蔭女子大学教授です。
これは文庫本ですが、単行本は、1995年7月に、「京都に原爆を投下せよ」というショッキングな題名で発刊されています。
これに関する最初に公にされた論文は、1983年の「京都小空襲論」で、この論文が発表されたにもかかわらず、「ウォーナー伝説」は消えなかったようです。
単行本発売後の2002年3月17日に、「天下」のNHKが、1970に制作した「ウォーナー・リストの戦後」という番組を再放送しました。
このNHKの放送に、筆者の吉田教授は唖然とし、再度この文庫本を再刊したようです。
今日のは、ちょっと長いですが、もう少しお付き合いください。
棄てられる爆弾
米軍の攻撃は、主に、精密爆撃とジェノサイド(genocide 大量虐殺の意)爆撃に分けることができます。
初期は、精密爆撃がおもな戦法だったのですが、カーティス・ルメイがヨーロッパ戦線からグアム島へ転任したのを契機に、ジェノサイド爆撃へと戦法が変わります。
有名なB29による大量の爆弾投下が、たまに放映されたりしますね。
日本への爆弾投下量は16万トン、そのうちB29の投下量は14万トンにもなります。
米軍では、爆弾を持ち帰ることは極めて稀であったらしく、余った爆弾を火の海に投下しても意味がないので、帰路において、適当な目標を探して投下したり、本当にそのまま棄てられたりしました。
それゆえ、通常爆撃の禁止命令の出ていた原爆目標候補地にも、爆弾は何回か単発的に投下されています。
余った爆弾の最も犠牲になったのは、浜松市です。
カーティス・ルメイは次のように書いています。
この浜松ほどあわれな都市はほかになり。われわれのB29は、(日本の攻撃による)被爆やその他の事情を爆弾を投棄する場合、この浜松上空で搭載爆弾を処分するよう命ぜられていたのだ。
このため、このあわれな中都市は戦争の全期間を通じて、毎日のべつまくなしに爆雨を降らされ(ていたのだ)。
[C・ルメイ「私は成層圏の“かがやける爆撃王”だった」]
(前掲書p148)
どうして爆弾を持ち帰らずに、棄てたのでしょう?
普通の感覚なら、持ち帰って、次の攻撃に使用してもよさそうなもの。
この当時からアメリカには爆弾が余っていて、「とにかく消費してほしい」という軍需産業の願いが通じていたのでしょう。
ここにも軍産複合体の姿が顔を出します。
(2004年6月15日)