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WTO(世界貿易機関)は世界の農業の敵
ジャンクフード税
2003年度の「地球白書」
情報の真偽
野菜汚染
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私たちのできる食糧安全保障行動

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WTO(世界貿易機関)は世界の農業の敵

中国の2025年予測での不足水量は、5,500万トン分の穀物栽培に必要な分量になると言われています。
インドでは、4,500万トン分の穀物が現在、過剰地下水くみ上げによって、栽培されています。
両者は現在は食糧自給国ですが、2025年予測では上記の水不足要因により、合わせて1億トンの穀物を輸入せざるを得ない状況になります。
この1億トンは、現在アメリカが世界市場に供給している穀物の総量をも上回り、人口増加という要因を加味しなくても、水不足によって食糧は不足することになります。
で、さらに悪いことにアメリカの灌漑農地の1/5を支えるオガララ帯水層が、揚水によって、年間約120億立方メートルずつ急激な減少を続けており、いずれ灌漑農業は縮小することとなります。
このように、地球上では将来の水不足が懸念されています。

ここまでは農業だけの水利用だけをみていますが、今度は他産業との関係をみてみます。
農業分野は他の産業に比べて、水の単位あたりの生産額において非常に不利な状況にあり、単なる利益追求だけの目的ならば、歴史の示すとおり、農業用水は工業用水へと、農地は工業用地へと転換されていきます。
もし世界中の今後の食糧不足を考えないで、このような産業間の水の奪い合いを、各政府が見過ごすならば、さらに食糧事情は悪化します。
経済がものすごい勢いで発展している中国では、産業間の人口移動が起き、農村は老齢化して、農業生産力はますます落ちる込みます。
中国に限らず、これはどこの国でも起こりうることで、若者ほど都会に夢をみるものです。

皆さんは世界の穀物は増えている、と思っているでしょうが、実は1997年を最高にして、その後は増えていません。
人口はどんどん増えているというのに。

世界的暴力国家アメリカは、さまざまな国に農業分野の完全自由化を迫っています。
これは、食糧の分野でも、世界支配しようとしているのかもしれません。
それも上手なもので、WTOという世界貿易機関を利用して。
日本、EU連合に対するアメリカの攻撃は、WTOが土台にあります。

今、世界で日本よりも穀物を自給できない国はたくさんあり、輸入依存度100%がクウェート、オマーン、アラブ首長国連邦。
70%以上の依存国がレバノン、イスラエル、ヨルダン、リビア、イエメン、アルジェリア、サウジアラビア、韓国。
ここに出した国は、水不足状況にある国だけです。
わが日本は水不足ではなくても、主食用穀物自給率は60%前後で、つまり依存度は40%。
「なんだ、そんなものか」と思う方は、次の記述でがっかりです。
飼料穀物も合わせると自給率は30%前後まで下がります。
つまり、ブタ、牛、鶏に食べさせる飼料のことで、輸入依存度は70%まで跳ね上がります。

さて、食糧輸出国は、世界全体で食糧が足りなくなった場合、どこの国に食糧を輸出するのでしょう?
当然、アメリカの言いなりの国(その中でも特にカネのある国。良い例が日本)、そして石油のある国です。
あっ、順番が逆でした。

WTOが農業分野の完全自由化を達成すれば、その役割上、農業も効率至上主義となります。
このことをワールドウォッチ日本代表の織田創樹さんは、次のように記述しています。

生産コスト削減を大前提としない農法はWTO体制の下では、いずれ敗れ去り、在来品種とともに在来農法も消えてしまう。
(「地球環境データブック2002−03」p272)

ということは、岩手、あるいは全国で推進されている有機農法も、敗れ去る可能性を秘めています。
結果として、種に多様性がなくなり、気候変動を迎える中で、食糧生産に危機の訪れる確率が、ますます高まったことになり、困難な病気が栽培植物に発生した時、対応できにくくなります。
世界のリーダーたち、すなわち各国首脳は、この辺をよ〜く考えて、WTOの農業分野の条件付除外条項を設けるべきでしょう。
消費者側としては、やはり、遺伝子組み換えや、アメリカ農産物、その関連製品の不買運動でもしないとなりませんね。
個人レベルからも頑張りましょう。

ちょっと余談。
「WORLD・WATCH」2003年1/2月号によると、中央アジアのアラル海が無秩序に灌漑を行った結果、1960年の4分の1になったらしいです。
生態系は破壊され、数百種の生物が姿を消し、さらに砂漠化、土壌塩化、砂嵐、気候変化をもたらしました。
皮肉にも、農業用水確保が、アラル海の漁業を奪い、広大な荒地には、廃船の群れが取り残されているとのことです。
淡水養殖の盛んな地域で、水を農業用水や工業用水に回されることになると、養殖産業を脅かすことにもなります(特に中国)。
ちなみに、この淡水養殖産業は全養殖産業の56%を占めるくらい大きな規模になっています。
このように世界の食糧生産バランスは、水不足という問題の出現で大きく崩れますね。
それにしても、やっぱり漁業はダメなんですかね。

もう一つ。
アメリカの表土の3分の1が侵食され流失するのにかかった年月は、たったの40年だそうで、逆に厚さ約2.54cmの土ができるのに要する年月は1000年だそうです。
表土を守るためにやはり木は大事です。
森や林を大切にしましょう。
(2003年5月4日)



ジャンクフード税

「ジャンクフード」とは?
私はこの言葉を初めて「地球環境データブック2002−2003」で知り、それでも、あまりはっきりと書かれていないので、ネット検索しました。
これを説明しているページは「研究員と称する手巻き寿司の好きないい男」さんのサイト「心理コラムのサン」で説明しています。
ジャンクフードはなぜそう呼ばれるのか?」を参照してください。

「地球環境データブック2002−2003」では、ジャンクフードのせいで、アメリカでは子供の肥満と骨粗しょう症が増え、それでもジャンクフード業界は、それに拍車をかけるように、子供を対象とした宣伝攻勢をしています。
この本では次のように書いています。

炭酸飲料業界は積極的に商品を市場に売り出している。
2000年には、2大ソフトドリンク会社であるコカ・コーラとペプシコが、世界中での広告費に46億ドルをかけた。
このうちのかなりの割合は子どもを直接の対象としており、炭酸飲料を子どもたちの人気ヒーローと関連づけている。
たとえば、コカ・コーラは映画「ハリーポッターと賢者の石」を製作したワーナー・ブラザーズ社と1億5,000万ドルの排他的な世界契約を結び、その映画の唯一のマーケティング・パートナーとなった。
(「地球環境データブック2002−2003」p192)

日本のテレビはどうなのでしょう?
私はあまりテレビを見ないので、ん〜ん・・・、わかりません。
どうなんでしょう?
まあ、やっているんでしょうね。
虫歯にもなりますし、よくないですよね。
私も子どもの頃、コーラとかファンタとか飲みたい一心でした。
友達は裕福な人が多く、小遣いを親からたくさんもらってこのジャンクフードをたくさん食べていて羨ましかった。
みんな体が大きかったし、私はどうして小遣いが少ないのかなあ、と思ったりしましたが、今思えば、あれは無駄遣いだし、体にもよくなかったようで、かえって貧乏でよかったと思っています。
なぜか、私は丈夫で(ホントにそうです。無理しても疲れるだけでどこも変にならないんです。そのうちポックリあの世に行きます。GNP2乗運動推進者です。GNP2乗運動についてはここを参照)、子どもの時に他の人よりジャンクフードを食べなかったせいもあるかもしれません。
ひどく痛いなあと思っても骨が折れません(笑)。
でも歯はボロボロで、暇な時に寝てしまうため(漁師はみなそう)、居眠りするたび歯を磨くわけにもいきませんから。
脱線しました。

で、このジャンクフードに、税金をかけている国があるんですよ。
びっくり、何とその国がジャンクフード王国アメリカです。
次に引用します。先述の本からです。

アメリカでは、炭酸飲料やその他の「ジャンクフード」に課税している州がある。たとえば、カリフォルニアではソフトドリンクに7.25%の消費税を課しており、年間2億1,800万ドルの歳入をもたらしている。
ジャンクフード税は、これらの不健康かつ多くの過剰包装である食物や飲料の消費を減らすことに貢献している。
さらには、一般歳入に含まれていくこれらの税金を、炭酸飲料やジャンクフード業界の巨大な広告予算と逆の方向に使うこと、つまり業界から送られる強力な広告メッセージに対抗する広報活動を展開することは、消費者に健康的な食事の重要性を伝えるのに有効である。
(前掲書p193)

何においてもアメリカでは、カリフォルニアが先に取り組むようです。
確か、「脱原子力社会の選択」という本にも「進取の気性」とか書いてありましたね。
これは日本でもあっていい。
ジャンクフードを売り込むアメリカ、特にファーストフード、そしてその原料を売り込むアメリカの農業戦略を阻止するためです。
ジャンクフード税の先例がアメリカにありますから、「アメリカでもやっているじゃないか」って言えばいいんですから。
ファーストフードに税金をかけること(ファーストフード税でもいいですね)によって、スローフードに目を向けるようにもなるかもしれませんし、その影響で日本の農家に少しは元気がでるかもしれません。
このような食品課税は当然、日本の農業が有利になるような予算に使えばいいのです。
つまり目的税。
目的税ほど理にかなった税金はない、と私は思うのですが。

そうすれば私の獲ってくる魚も少しは高くなるかも(そんなことはない)。
それにしても、本当に日本の農家には頑張ってもらいたいです。
私が生きているうちに世界的な食糧不足がきますからね。
(2003年5月24日)



2003年度の「地球白書」

所長が代わってからの2冊目の「地球白書」ですが、今年の目玉はありません。
強いて言えば、エネルギー問題と宗教に触れている点です。
また、おもしろい読み物として読むならば、第1章の「石器革命から環境革命へ、人類の進化を果たす」が面白いと思います。
が、「買い」ではありません。

まず第2章で「自然と人間とを結びつける鳥類を守る」のなかで、携帯電話などが鳥類の敵となっている次の記述があります。
野鳥の会が主張したがるような文章ですが、その後段にはしっかりと提言があります。
このような提言は野鳥の会はしない。
このように前進的な提言こそ、現実的な主張といえるでしょう。
それでは一部引用します。

超高層ビルやテレビ、ラジオ、携帯電話の電波塔のために、毎年、夜間に飛行する数百万羽の渡り鳥が死んでいる。特に曇ったり霧の深い夜に死ぬ鳥は、アメリカだけで年間最大4,000万羽に達するだろう。建造物に点滅する赤い光が鳥類を迷わせるのだが、光は渡りの合図の一つなのである。多くの鳥がその光の周りを旋回しているうちに、タワー本体や支えのワイヤーに衝突する。
(中略)
アメリカには約61メートル以上のタワーが4万基以上あるが、今後10年間でその数は2倍になるかもしれない。携帯電話とデジタルテレビのためにタワーの増設が必要だからである。問題は天候だけではない。タワーの位置も重要である。渡り鳥の移動路や丘の頂上にタワーが建つと、鳥への危険が増す。しかし、増大するこの問題に取り組んでいる会社や政府はほとんどない。光やタワー、支えのワイヤー、それに高層ビルの影響を最小限度に抑える方法として何がもっとも効果的かを判断するためには、さらに調査が必要である。現在までに提案された代替案のなかには、点滅する赤い光を渡り鳥が混乱しにくい白色の電子フラッシュに替えたり、鳥がぶつかると命を落とす支えワイヤーを必要としない背の低いタワーを建てる、といったことがある。
(「地球白書2003−04」p55)

関連して「第5章 政治の意思として新エネルギー革命を支援する」で反風力発電(特に野鳥の会)に対する反論も、次のようにしています。

すべてのエネルギー技術と同様に、風力発電に関連する不利益もある。もっとも議論と懸念を引き起こしてきた環境的要因として、鳥類の犠牲が挙げられる。しかしながら、これは特定のサイトの問題で、陸海空の輸送機関やビルおよび携帯電話の中継塔など、鳥にとっての他の脅威と比べると比較的小さな問題である。さらに、そのような問題はブレードの色彩を鮮やかなものにすること、あるいは回転速度を遅くすること、タービン塔を角のない管状にすること、そしてサイトの選定に際して鳥類へ十分に配慮することによって、近年緩和されてきている。
(前掲書p168)

太陽は人類が現在使っているエネルギーの1万倍のエネルギーを常に供給していて、風力発電、太陽光発電、その他の太陽の影響で起こる自然現象を利用する発電だけで、今日の発電量の1,000倍以上を賄えると言われています。
この第5章では政治の力で化石エネルギーからの転換をすべきだとしており、これこそ市場原理にまかせずに強制的に転換すべきものでしょう。
技術的に全部解決できれば、の話ですが。
さて、次は「第6章 環境の21世紀、錬金術は金属リサイクル」からです。
これは抜粋引用だけにします。
ずばりそのまま都合のいいように引用し、あとはオランダでの取り組みも紹介します。

アルミニウムは、ボーキサイトから生産するよりも、再生材を使ったほうが、95%もエネルギーを節約できる。銅の再利用も、鉱物から加工する場合に比べ、エネルギー使用量が5分の1から7分の1で済み、粗鋼も同じく3分の1から半分のエネルギーで再生産できる。
(以上、前掲書p227)
世界で使用されている銅を見ると、リサイクル資源から生産されているのはわずか13%にすぎない。
金属は際立って再生が可能な物質であり、リサイクル率は大いに改善させるべきである。使用済みの銅やアルミニウムは、新しい金属をほとんど加えなくても、再生前とほぼ同量の金属になる。飲用容器から再生されるアルミニウムは、リサイクル用の回収箱に入れられてから数週間後には、溶解され、再加工されて、新しい缶の製造に利用できるようになる。アメリカ人が1990年から2000年にかけて捨てた700万トンの缶がリサイクルされていれば、ボーイング737型機の31万6,000機に相当するアルミニウムが生産されていたはずだ。これは、世界の全民間航空機の25倍に相当する数である。
これほど有益な金属が町や埋立地に放置されているのに、なざ新たな地下鉱脈の発見に大量のエネルギーを使うのだろうか。国によっては、地上の在庫のリサイクルよりも新たな鉱脈の採取のほうが安く上がるよう、採掘に補助金を出しており、鉱業会社は、この現状の維持に躍起になっている。アメリカの鉱業界は、1872年の鉱業法のいかなる変更にも強固に反対し、この補助制度を守るために多額の資金を投じてきた。1997年半ばから2000年半ばにかけては、政治キャンペーンに約2100万ドルを提供した。
現在の原料システムは、採掘業者を優遇し、リサイクル業者を不利な立場に置く、不公平なものになっている。
(以上、前掲書p228)
くず鉄の価値を評価したオランダの自動車リサイクル業者は、重量換算では廃車の約86%をリサイクルしている。ここでは、大半の車が解体され、タイヤのホイールキャップやバッテリーをはじめとする車の部品が再生されていく。新車の購入者が負担する130ドルの解体費用が、これに充てられる。
(以上、前掲書p230)
二次的な供給源から物質を生産することは、エネルギー使用量や有害廃棄物、職業上の健康被害といった観点から見て、新たに採掘した自然資源を使う場合より著しく影響が少ないが、完全に回避できるわけではない。持続可能な原料システムでは、修理、再利用、再生が第一の選択肢である。オランダ政府はこうした認識に立脚して、再使用可能なガラスビンを選び、アルミニウム缶を禁止した。同国では、ほぼ100%のビンが回収され再使用されている。
(以上、前掲書p231)

最後に「第8章 大きなチャレンジ―宗教界と環境団体との協働」には、あまり感心しませんでした。
つまり環境主義者は宗教を利用せよ、と示唆する内容です。
いろいろな宗教の自然に対する解釈とかいろいろ書いてあって、そういう部分はおもしろいでしたが、まあ、宗教を頼らなければならないくらい、政府や個人が頼りないということでしょう・・・。
(2003年7月5日)



情報の真偽

「WORLD・WATCH」7/8月号より、アメリカ市民の悲劇を紹介します。
情報過多の時代で、情報の真偽を判断する前に、情報を浴びせ続けられる悲劇が、ブッシュの起こした戦争で明らかにされました。
「ブッシュが演出した『大量破壊兵器』」というコラムから一部引用します。

アメリカがイラク攻撃を開始して間もなく、わずか25%ほどのアメリカ人しか、その攻撃に反対していないことが世論調査で分かった。空中で破裂する爆弾、バクダッドへ向かって突進する戦車など、ひとたび攻撃が始まると、アメリカ人の反対はさらに小さくなった。
しかし、世論調査が行われたその他多くの国では、90%を超える人々が、イラク侵略に反対していた。イスラム教が主流であろうと、キリスト教が主流であろうと、あるいは豊かな国であろうと貧しい国であろうと、大多数が反対していることは、アメリカ以外では、ほぼ世界共通である。政府が取っている立場など全く気にせず、「協力的な同盟国」であるイギリスやスペインの国民でさえも圧倒的に反対しているように、ブッシュ大統領の「協力的な同盟国」であるかないかなど関係ないのだ。
それなら、報道の自由があり、おそらくアメリカ人と同じ情報にアクセスできる世界中の国々においてさえも、人々の認識とどうしてそれほど違ったのだろうか。
1つには、人々がアクセスできる情報と、実際に人々が浴びる情報とが同じでないということが挙げられる。アメリカのマスコミは、第二次世界大戦やベトナム戦争、第一次湾岸戦争時よりも、現在の方がはるかに多く、市民はどこでも情報を浴びせられている。何千万もの人々のテレビやラジオ、インターネットは常時オンのままだ。
(中略)
もちろん、繰り返し行うことは広告や宣伝の基本原理の1つである。反復は真実が「真実」であろうとなかろうと、それをあたかも「真実」らしくしてしまう。
(以上、「WORLD・WATCH」2003年7/8月号p4)
おおかたは独自の意見もなく、ブッシュ政権が多大に費用をかけた情報操作によって、ほぼ一語一語復唱していることにすら気付いていないようだ。テレビで耳にしたキャッチフレーズを繰り返すときには、自分の考えをいっているように錯覚し、これが「言論の自由」だと思っているようである。実は、彼らはイラク攻撃を支持した約75%とほぼ同じ人だと確信している。メディア総動員といった大統領の「大量破壊兵器」警告によって、自国の歴史に残る偽善的軍事攻撃と残虐行為に対する嫌悪をうまうまと忘れさせられた人々だ。戦争をテーマにしたテレビゲーム、暴力行為をむやみに盛り込んだ映画、そして愛国心の高揚などの一連の動きの増幅と共に、大統領の連発する警告は、社会科学者アンソニー・ジャッジが「大量破壊兵器」と呼ぶ、圧倒的な強力な兵器になっていたのである。
(以上、前掲書p8)

真偽の問われなかった情報を、アメリカ人は合衆国政府から浴びせられ、各国へ伝わり、世界中を揺るがす最強の「兵器」となったと、論じているものです。
それと比較してわが日本では、その辺の情報は今回の戦争においては、少しは「言論の自由」があったように私は感じます。
「大量破壊兵器」は未だ「発見」されていなませんね。
モロにアメリカの発する情報を鵜呑みにしていた方は、大いに反省すべきです。
少なくともここを見ていた人はそうではないでしょう。
ネット社会でも、情報はあまりに氾濫していて、どれが本当の情報なのか?わからなくなります。
掲示板の書き込みもそうですし、有名な知識人の言論もそうです。
その辺をうまく判断していかなければなりませんね。
情報が多くなったから良い時代かと思えばそうでなく、逆に難しい時代です。

さて、このイラク戦争に関連して、イラクの代名詞といえば化学兵器。
その化学兵器のおもしろい比較を「WORLD・WATCH」誌はしています。
毎号「MATTERS OF SCALE」が載りますが、今回の題名は「さまざまな化学兵器戦争」です。
ではその比較の一部を紹介します。

★飲料水に含まれる過塩素酸塩(ロケットとミサイルの燃料の主原料)の耐容1日摂取量・・・・体重1キロあたり0.3マイクログラム
★軍需産業の垂れ流しや投棄によって汚染された灌漑用水を使った、カリフォルニア州産の葉菜で検出された過塩素酸塩・・・・作物1キロあたり4,490マイクログラム

★2003年のイラク侵略以前にイラク国内にあったとされる化学兵器の総重量(アメリカ科学者連盟の予測による)・・・・3,850トン
★地球に広く存在するもっとも危険な農薬6種の総重量・・・・7,000,000トン

★2003年のアメリカのイラク侵略以前の6年間にイラクの化学兵器が原因で死亡した人の数・・・・0人
★同じ6年間に農薬が原因で死亡した人の数(WHOの推定による)・・・・1,000,000人以上
(前掲書p46)

これらを冷静な目で見れば、イラクの化学兵器なんて、さまざまな汚染物質と比較すれば、その量は微々たるもので、いかに政府の「宣伝活動」で誇大に伝えられているかわかります。
前にも書きましたが、恐怖を煽るのは簡単で、しかし、本当の恐怖は実に巧妙に隠されています。
「隠す」と書きました、実際に国内の問題を隠すために、海外の恐怖へ視点をそらすことも実際にやっています。
情報操作をして。

ちょっと今日の題名からはずれますが、同じ号でタバコ栽培のことを書いてました。
本県のタバコ産業は重要な産業で、私は?といえば、タバコ大嫌い人間で、常日頃、喫煙者を非難しています。
そのタバコ産業の転換を記事にしたものがこの号にありました。
タバコ栽培の現場はひどいものらしく、それから有機農業への転換の物語を書いてあります。
題名は「タバコ栽培から健康な有機野菜へ」でその悲惨な現場の文章を引用します。

「以前は病気になりやすかった。タバコに噴霧する薬品をよほど慎重に扱わないと熱は出るし、肌はヒリヒリして、吐き気もあった」と、アスキンズはいった。彼が特に用心していたのはフルメトラリンだった。これは植物の生長を阻害する除草剤で、プライム・プラスの商品名で売られている。農民たちは春に、タバコの根元に出てくる吸枝を抑制するためにこれを使用している。「プライムを使うといつも微熱が出た。肌はかゆくてヒリヒリした」。
この除草剤は環境にも影響を及ぼしたかもしれない。「今ではウシガエルやヒキガエルの鳴き声を聞かなくなった。小川や川を薬品で汚してしまったからだろう」。彼はまた、刈り入れ時期の葉タバコに手でさわることからくる、ニコチン中毒の症状についても語った。突然の吐き気、めまい、頭痛などが起きるという。他の農民たちも、少なくとも3代前からのタバコ農家だが、彼の言葉に一様にうなずいた。
(前掲書p39)

タバコを吸うのは百害あって一利なしですが、タバコを作る側も健康を害しているんですね。
これでも、なくてはならない産業なんでしょうか?
どうなんでしょう?
(2003年10月12日)



野菜汚染

野菜が、化学物質にかなり汚染されています。
これはアメリカの話でして、この日本はどうなのか?
さあ、それは調べてないので、私はわかりません。

「アメリカのレタスは国防優先でロケット燃料まみれ」だそうで、これは今号の「WORLD・WATCH」の記事のひとつです。
問題の有害化学物質とは、過塩素酸塩で、ロケット燃料に含まれているんだそうです。
その歴史は第二次世界大戦にさかのぼり、過塩素酸塩には、過塩素酸アンモニウム、過塩素酸カリウム、過塩素酸ナトリウム、過塩素酸コバルトや、その他多くの塩類があるようです。
これらの物質は、主に推進剤や照明装置や花火を含む爆発性物質のための酸化剤として開発され、最近では自動車のエアバッグ装置などのさまざまな製品に使われています。
問題は、これらの有害物質を土中や地下へ垂れ流し処分していることで、それらがカリフォルニア一帯の水を汚染しているのです。
この事実は、2002年12月16日付の「ウォール・ストリート・ジャーナル」誌に掲載され、日の目をみました。
過塩素酸は、人体の代謝機能やホルモン分泌異常、成人のガン、胎児の神経系や骨格の発達障害といった甲状腺機能の異常に対して、影響を及ぼす可能性が指摘され、知能指数の低下、精神発達遅滞、聴覚障害、言語障害、運動能力障害、さらに子供の学習障害や注意欠陥障害にも影響があるらしく、ラットを使った実験では、非常に初期の段階で腫瘍が発達することが明らかになったとされています。

その後、これらの有害物質を排出した企業(すなわち軍事産業)は、国防総省の保護の下に、垂れ流し処分を続けました。
当地の飲料水の過塩素酸濃度、そしてそれらの許容限度も、さまざまな団体で違う見解を出し、同じ政府内の国防総省と環境保護丁の許容限度すら、大幅に違っています。

上記の人体に対する影響は、飲料水のみに限った話で、実はもっと深刻なことが起きています。
それを表す文章を転載します。

レタスの葉は与えられた水に含まれる過塩素酸塩を最大で95%まで吸収し、蓄積することが明らかになった。つまり、水の汚染濃度が低くても、レタスの葉が、成長するにしたがって非常に高濃度の過塩素酸塩が蓄積されてしまうのである。
(「WORLD WATCH」2003年11/12月号p30)

つまり、カルフォルニア産のレタスは、ものすごい過塩素酸塩を含んでいるわけです。
そして、次の文章を読めば、もうそこはアメリカではなく、暗黒の世界の話ではないか、と勘違いしてしまうほどです。

外部評価に関するその後の状況について、環境保護庁は決して公表しようとしない。米国産の作物の過塩素酸塩汚染に関して新事実が明かされて数週間のうちに、ブッシュ政権は環境保護庁の研究者や科学者が過塩素酸塩について報道関係者と話をすることを禁じた。興味深いことに、このような事態の中、クリスティ・トッド・ウイットマン環境保護庁長官が辞任している。この件について求められていた情報開示は実現しないままに終わった。ウイットマンの地元であるニュージャージー州は、過塩素酸塩による水汚染の発覚によって脅かされている数多くの州の一つである。さらに「ガーデン・ステイト(Garden State)」と呼ばれるニュージャージー州は、全米で指折りの野菜の産地であり、また過塩素酸塩の生産地でもある。
カリフォルニア州選出のロイス・キャップス議員は、レタスに関する二つの調査結果が発表された直後に、57名の下院議員と共にホワイトハウスに書簡を送り、状況の説明と環境保護庁に課した報道禁止令の撤回を求めた。この中でキャップス議員は、以下のように述べている。「過塩素酸塩による汚染は43州、数百か所で報告されているか、あるいはその可能性があると言われている。テキサス、カリフォルニア、アリゾナ、ネブラスカ、アイオワ、ニューヨーク、メリーランド、マサチューセッツをはじめとする19の州で、100を超える飲料水の水源が汚染されている。(中略)環境衛生と安全に責任を負う機関が、過塩素酸塩のような潜在的な危険な物質の汚染拡大について発言を制限されるというのは、非常に懸念すべきことである。アメリカ人は、自分たちのために調査研究を行う科学者たちから情報を得る権利がある。ブッシュ大統領は、この報道禁止令を速やかに解除するよう取り計らうべきである」
ホワイトハウスからの応答はなかった。
(前掲書p33)

この筆者はジーン・エアーズさんという方で、現在フロリダ在住です。
元はカリフォルニアに住んでいましたが、スモッグが深刻で、子供のアレルギー症状を非常に懸念していました。
そこで地中海ミバエが発生し、マラソンという農薬をヘリコプターで、上空から全域に散布されました。
このマラソンが車にかかると塗装が剥がれるそうで、しかし、州の農業委員がテレビでグラスに入ったマラソン農薬を飲み干して、安全だと宣伝していたそうです。
これを機に、子供のため、ジーン・エアーズさんはフロリダへ移住しました。
ところが、非情にも地中海ミバエはフロリダにも現れ、状況はカリフォルニアと同じになり、さらに不幸なことに彼は甲状腺機能不全に陥りました。
その奥さんや兄弟も甲状腺機能低下症になり、その後の「ウォール・ストリート・ジャーナル」誌の記事で、その原因がわかったわけです。

アメリカという国は、いつもこうなのかもしれません。
今回のアメリカBSE問題でも、日本の検査体制からみれば大甘で、政治的圧力で日本へ輸出しようとしています。
いや、アメリカだけじゃなく、中国も信用できたものではありません。
SARSや鳥インフルエンザも、事実隠蔽が明らかになり、深刻になってから発表するなんて非道すぎます。
アメリカも中国もこれじゃ、大して変わりありませんね。

それにしても、これはある意味で、自然の人間に対する報復と言えるかもしれません。
人間が汚染物質を自然界にばら撒き、それが人間にとって絶対に必要な野菜に蓄積され、それを摂取せざるを得ない。
野菜だけじゃなく、家畜類もそうですし、海洋で長生きする動物も有害化学物質を蓄積しています。
しかし、何といっても、食物連鎖の最上位に位置する人間様が、もっとも蓄積しているんでしょうね、きっと。
(2004年2月6日)



GMO(遺伝子組み換え生物)

ヒトの遺伝子が組み込まれるGMOイネ
GMOイネとは、遺伝子組み換えイネのことで、これもアメリカのアグリビジネス世界戦略の一環なのでしょう。
このGMOイネは、現在カリフォルニアで試験栽培されることが問題になっています。
その遺伝子操作にヒトのものを使っているということも奇妙で、ジワジワとくる恐怖感も伴います(私だけの感覚かも?)。
GMOのことは、前に「農業分野でも地球上を危機に陥れるアメリカ」で紹介していて、この時は殺虫性のトウモロコシのことを取り上げています。
それでは、GMO作物の基本的な問題を「WORLD・WATCH」から少し引用します。

GMOには除草剤耐性と病害虫抵抗性の2つの基本形があるが、多くの場合、除草剤の使用量や農薬成分の環境への放出量は、どちらも在来作物を上回っている。イギリスで最近行われた調査では、除草剤耐性の作物が昆虫の個体数を減少させ、生物の多様性を損ねることが明らかになった。除草剤耐性の作物を栽培すれば、異種交配や自然淘汰(大量の除草剤による)を通して、一種以上の除草剤に耐性を持ついわゆるスーパーウィード[突然変異の雑草]の誕生につながりかねない。また病害虫抵抗性の作物は、益虫に有害なだけでなく、一般的に使われている農薬への耐性を、標的である病害虫に獲得させることになりかねない。
(「WORLD・WATCH」2004年5/6月号p24)

カリフォルニアでの食用穀物はGMOとは無縁だったのですが、モンサントとアヴェンティス(現バイエル・クロップ・サイエンス)という2つの企業が除草剤耐性をGMOイネを試験栽培するようになり、しかも鳥や昆虫などの野生動物の出入りも自由な状態です。
モンサントといえば、「世界の飢餓はアグリビジネスの誕生に由来する」にも登場したあの悪名名高いモンサント社。
この昆虫などが自由に出入りできる環境というのは、GMO汚染が広がる可能性が大きいと言わざるを得ません。
ブラジルでは、除草剤に耐性を持つイネの試験栽培区画には、保護網の設置が義務付けられていて、設置を怠った区画が見つかった場合は、栽培されている作物の破棄が命じられています。
ブラジルではしっかり対応しているのに、さすが優れた知識人のたくさんいるアメリカですね(もちろんバカにしています)。
そのカリフォルニアの中でも、異彩を放っているのがヴェントリア・バイオサイエンス社のGMOイネで、これにヒトの遺伝子を用いられていて、ホントに気持ち悪いですよね。
で、なぜこんなことをするか?ですが、ここでもちょっと引用。

現在、同社はヒトの母乳に含まれるリゾチームとラクトフェリンという2つのタンパク質を作るため、ヒト遺伝子を組み込んだイネで実験を行っている。授乳中の母親は、母乳を通じてこのタンパク質を子どもに与え、バクテリアやウィルス、菌類、その他の微生物に対するより強力な抵抗力をつけさせる。ラクトフェリンは鉄分も補給する。ヴェントリア社は、いくつかのヒト遺伝子で強化したイネの実験を進める一方で、ヒトの母乳成分を取り込んだイネを家禽類の餌に混ぜて抗生物質の代替品にしたり、乳児用粉ミルクに混ぜる栄養補助食品として利用する計画を立てている。
(前掲書p18)

遺伝子組み換え食品がついに粉ミルクにまでなるんです。
誰が飲むんですか?
じゃなくて、誰が赤ちゃんに飲ませるんですか?
大人ですら、遺伝子組み換え食品は敬遠しているのに、飲ませる親なんていませんよね。
カリフォルニアの農民は、すでにGMOイネなんて眼中になく、GMOを拒否しているアジア市場向けに有機栽培で、価格の高いコメを生産しています。
この辺を考えると、アグリビジネスが未だに農民を食い物にしようとたくらんでいるとしか思えません。
このようなGMOイネをどうして開発するのか?と、この論文の筆者クレア・ホープ・カミングスさんも不思議がっています。

モンサント社と闘う農民
カナダの一農民パーシー・シュマイザー氏は、自らが在来種の品種改良をしてきたナタネが、モンサント社のGMOナタネに汚染され、被害を被りましたが、1998年、逆にモンサント社の作物を勝手に栽培したとして、特許侵害で訴えられました。
びっくりしますよね。
GMOに汚染されたと思ったら、勝手に栽培するな、と訴えられるんですから。
どう考えても不可解です。
これじゃ、完全に空間を遮断して栽培しくちゃ、在来種を防衛できません。
本来ならGMO作物を栽培する側が、完全に遮断された空間を確保して栽培しなければならないはずだと思うんですが。
「GMO作物を栽培することが、在来種栽培よりも絶対的に正しいことだ」というのなら、そりゃわかりますが、そんなことは絶対にありません。

シュマイザー氏の闘いについては「72歳の農民・パーシー・シュマイザーさん カナダからの警告」というページがあり、これは「大地を守る会」というサイトにあります。
で、シュマイザー氏はカナダ最高裁で敗訴が確定しまして、その内容は「モンサントがパーシー・シュマイザーの種子保存裁判であっけない勝利」が参考になると思います。
このページのあるサイト「遺伝子組み換え情報室」がすごくて、論文がたくさんあります。
興味ある方はぜひ読んで究めてください。私は究めません(笑)。
また、この裁判の裏話が、掲示板「会議室」の[204]にあります。
これもおもしろいです。

このモンサント社は、実は日本にも進出していまして、Webサイト「日本モンサント」にいろいろGMO作物について正当化する内容が書かれています。
GMO賛否の公平性保持のため(←私にしては珍しい)、ついでに紹介しますが、GMO賛成サイトに「バイテクコミュニケーションハウス」というのも参考になると思います。
「日本モンサント」と「バイテクコミュニケーションハウス」の安全性を主張する理由は、今日紹介した他のサイトで、ほとんど覆される事実が載っています。

恐怖のGMO小麦
コメに次ぐ日本の基本的な消費される穀物は小麦だそうで、考えてみれば、パンからラーメンまでが小麦原料が使用されています。
学校給食法で裏作が崩壊しましたが、その裏作で栽培されていたものの代表的なものが小麦で、現在は90%を輸入に頼っています。
その小麦のGMO化がアメリカ、カナダで起こりそうな気配だそうです。
小麦の輸入相手国は、アメリカ、カナダで、80%を占めてしまいます。
両国の小麦がGMOに支配されたならば、GMO小麦が日本人のお口に入る90%×80%=72%で、ものすごい高率で私たちは食べてしまうことになります。
そのGMO化を促進する企業とは、またまた史上最悪のモンサント社です。
このGMO小麦のことは、詳しくは「遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーンニュース」の70号「GM小麦はいらない!」にあります。
学校給食法からの関連も書いてあり、なかなか勉強になります。
モンサント社は除草剤耐性小麦開発を中止することになり、「ほかの遺伝子組み換え小麦が導入されるまで育種や野外実験を行なわない」としています。
しかし、油断できません。

http://www.daichi.or.jp/pc/idenshikumikae/040321kumikaekomugi.html

GMO作物を食べた動物の異変
GMOジャガイモをラットに食べさせたら、免疫不全の障害があらわれたそうです。
それを公表したら、公表した教授はハイテク産業から圧力をかけられ、言論を封じられました。
詳しくはhttp://www.s-coop.or.jp/snew/cyup1.htm#02へ。

先ごろ、岩手と青森の県境産廃投棄場所で、ハタネズミの染色体異常が多くなっているというニュースが流れました。

http://www.mainichi-msn.co.jp/kagaku/photojournal/news/20040626k0000m040049000c.html

ネズミですから、口から入ったものの影響なのでしょう。
つまり食べ物から染色体異常が起こるということです。
GMO作物を食べておかしくなった報告は、すでに「農業分野でも地球上を危機に陥れるアメリカ」で、ブタの繁殖異常が例示されています。
しかも、GMO作物の出現はごく最近で、その影響なんてほとんど知られていない状況です。
ハタネズミの染色体異常を考えると、遺伝子の組み換えられた未知の食べ物というのは、どうしても恐怖に値します。

人間への影響については、腸内で「抗生物質耐性を持つ可能性もある」との指摘もあり、それについては、「2003年自治研岩手県集会レポート」というページが岩手県議会議員の佐藤ケイ子(社民党)さんのサイトにあります。
GMO作物が身近に栽培されつつあるというのが、このページを読むとわかります。
しかし、大丈夫!
懸案の北上市にある岩手県生物工学研究所のGMOイネは、開発中止となりました。

http://www.daichi.or.jp/pc/kenkai/031128kumikaeine.html

アメリカの世界戦略に対抗しよう!
昨日の食糧自給率で引用したあのブッシュの言葉を思い出してください。
「国民を食べさせるに足る食糧を生産できないような国を想像できようか。そんな国は国際的な圧力に従属する国になる」
このGMO作物開発は、もしかして、もう一つの目的のために実験しているのかもしれません。
農業分野でも地球上を危機に陥れるアメリカ」のように、アメリカ以外の国への転用実験の可能性も否定できません。
例えばです。
アメリカの実験場で、実らせた花粉をそのまま他国でばら撒いて、その国の作物をGMO化させるとか。
陰謀論めいてきましたが、アメリカならやりかねませんよ。

ここで日本の農業戦略を、足りない頭で考えてみます。
前回の「食糧自給率」の引用では、日本の農家にとって脅威のカリフォルニア米が少量ですが、販売されるようになりました。
そこで、カリフォルニア米にGMO汚染の疑いをかけるのです。
そして、BSE牛と同じように、疑いが充分に晴れるまでは、禁輸する。
これは二重の意味で効果を発揮します。
日本にGMO汚染を持ち込まれないこと。
そして、禁輸によって、カリフォルニアでのGMOイネの試験栽培も中止に追い込むことができ、これはカリフォルニアの農家にとっても、最終的には利益となります。
GMO汚染から免れるわけですから。
そして私たちができることは、GMO作物は絶対不買することです。

「沈黙の春」の示すもの
1962年レイチェル・カーソンの「沈黙の春」が出版され、動物が化学物質でメス化する現象を告発し、化学産業界から攻撃されました。
すべてがメス化するということは、いずれ世界は動物の声など聞こえなくなり、「沈黙」するということです。
これに対し、各国は強力な環境法で応じました。
しかし筆者カミングスは、GMOに関しては、次のように言っています。

私たちが歯止めのない広大な遺伝実験に参加しているということだ。
「化学物質汚染が自然界の声を消してしまうのではないか」というカーソンの危惧には十分な根拠があった。遺伝子による汚染が鳥や環境、ひいては人間のどのように作用するのか、今度は私たちが理解しなければならない。しかし、妥協を許す政府の役割や環境規制に対する産業界の反発によって、これらの疑問を解決するであろう調査は行われていない。
(前掲書p26)

ことGMOにおいては、異変が起きてからは遅いような気がします。
GMO作物を摂取し続ければどうなるか?というデータが全くなく、しかし、すでに商品として出回っていて、人間が消費しているからです。

それにしても「遺伝子組み換え情報室」以外の各サイトは、都合の悪い事実は書いてないんですよ。
見比べてみればわかります。
これじゃあ、偏ってしまいます。
いろいろ調べて書くのも疲れまたし、リンクを貼りすぎるのも後でリンク切れしていたりしますから考えものです。
何とかならないのかなあ、と思いますが、よく考えると自分はいつも偏っていました(笑)。
(2004年7月15日)



私たちのできる食糧安全保障行動

未だアメリカ産牛肉輸入問題は解決しておらず、アメリカ農務省は、高級牛肉を扱う食肉加工の小会社「クリークストーン・ファームズ」が申請した、自社負担によるBSE全頭自主検査の承認を拒否したりして、何が何だかわからなくなっています。
先日、BSE問題で小泉首相がブッシュに屈しなかったのは救いですが。
BSE感染牛を食べた人は、変異型クロイツフェルト・ヤコブ病を発症する可能性があり、このヤコブ病は致死性で治療法は見つかっていないようです。
田中宇さんの国際ニュース解説の今年7月6日号では、このヤコブ病のことを書いています。

http://www.tanakanews.com/e0706BSE.htm

肉食の影響
「WORLD・WATCH」2004年7/8月号の「地球環境に影響する肉食という食習慣」という記事には、思わず驚きを隠せませんでした。
私たちが焼肉やステーキを食べることで、これほど環境に対して負荷を与えているなんて思ってもみませんでしたから。
森林破壊、草原破壊、水不足、廃棄物増大、エネルギー消費、地球温暖化、農場利用の非効率性、感染症、生活習慣病、生物多様性の喪失と、ほとんど環境問題に対して影響を及ぼし、肉食の利点といえば、人間の食欲を満たすのみ、と言えるのかもしれません。

具体的には、牛肉生産の水使用量の多さに圧倒されます。
発展途上国では一塊のパンを作れる量の小麦を栽培するためには550リットルの水しか消費しませんが、100gの牛肉を生産するためには7000リットルの水を消費します。
また別の報告では、カリフォルニアでは、牛肉1ポンド消費を減らせば、半年間シャワーを使わないのと同じ節水効果となるとのこと。
廃棄物増大に関して言えば、ブタやトリ、ウシが飼育されるアメリカの「畜産工場」が人間の130倍の排泄物を出していて、これらは河川や地下水を汚染し、最終的に海中の酸素不足を促し、死の海域「デッド・ドーン」を拡大します。
化石燃料使用では、人間が消費する1カロリー分の食肉タンパク質を生産するためには、28カロリーの化石燃料を必要とし、穀物を直接消費する場合には、同じ1カロリータンパク質の生産に必要な化石燃料はたったの3.3カロリーです。
しかもウシ1頭は年間75kgのメタンを排出します。
メタン1トンで二酸化炭素23トンに相当する温室効果がありますから、化石燃料消費とあわせて、牛肉消費は地球温暖化に貢献しているわけです。
中米では輸出用牛肉を生産するために過去40年で雨林の40%が消滅しました。
森林の消滅は文明の滅亡を意味し(「森林を破壊する文明」参照)、イースター島の教訓を無視すればどんな悲劇が起こるのか、想像に難しくないですね。
肉食と森林の関係を示した文章を紹介します。
漁業とも関連があるので、私としても非常に考えさせられます。

1990年にブラウン大学の世界飢餓計画(World Hunger Program)が行った推計によると、世界で収穫される穀物を家畜の餌にせず、すべて菜食のかたちで平等に分配すれば、60億人分の食糧を供給することが可能であるという。これに対して、豊かな国の人々のように肉を多く摂取する食生活を基準にした場合には、26億人分の食糧にしかならない。つまり、人口が60億を超えている現在、私たちはすでに土地不足に陥っており、その分を海から大量に獲る魚で補っているのだ。その漁業資源も、急速に枯渇しつつある。私たちがこれまでと同じ割合で肉を食べ続ければ、あるいは人口が予測どおりに増加し続ければ、近い将来、世界中の人々に食糧を供給するためにはさらに多くの森林を伐採するしかなくなるだろう。食肉と植物性食品のどちらのタンパク質を摂取するかということは、今後私たちが破壊する森林の面積を直接左右する問題だ。
(「WORLD・WATCH」2004年7/8月号p18)


中国発の食糧不足
以下の事実は、仕事上、私のようなテレビや新聞をあまり見る機会のない人にとっては、知られていないことだと思います。
これら事実やデータは、レスター・ブラウン著「プランB」によります。

黄砂現象は今や太平洋を越えてアメリカまで届いており、その元凶となったのは過放牧です。
中国のウシの放牧数は1億600万頭、同規模の放牧が可能な草地のあるアメリカの頭数は9600万頭。
そして、ヒツジとヤギは、中国の2億9800万頭に対し、アメリカは800万頭。
そのため、中国のこれらの群れが、表土の植物を食べ尽くし、中国北西部の砂漠化を促進しています。
砂漠の拡大の影響は、中国国内だけにとどまらず、砂嵐が韓国まで到達して、学校が閉鎖され、飛行機が欠航し、呼吸困難の患者が診療所にあふれる事態になっています。
また、「人口問題」で書いたように、世界的に地下水の過剰くみ上げによる水不足が懸念され、灌漑農業の危機が迫っています。
が、その前に河川の水が、世界中で断流(河口まで川が到達しない)を起こしていて、これもまた農業の危機原因となっています。
ナイル川、インダス川、メコン川、そして黄河。
どの川も断流が起こっているか、断流寸前なのです。
原因は河川上流の都市で、生活用水や工業用水のために水を吸い上げていることにあります。
そして、この後に起こりうるアメリカや中国の深い化石帯水層の地下水の枯渇時期が、世界の食糧危機を左右することになります。
しかし、化石帯水層の地下水枯渇の前に、回避できない中国の穀物輸入で穀物価格の高騰が予想されます。

「なるほどなあ」と思ってしまった文章を二つほど転載しておきます。

1トンの穀物を生産するには1000トンの水が必要なため、穀物輸入はもっとも効率的な水の輸入手段となる。各国は増大する水需要を世界の穀物市場で満たしている格好だ。水不足が深刻化するにつれて、これらの市場における穀物争奪戦はいっそう激しくなるだろう。穀物の先物取引は、ある意味で水の先物取引と同じである。
(「プランB」p34)
穀物の輸入需要が明日どこに集中するのかを知りたければ、今日どこで水不足が起きているかに注目すればよい。現在までのところ、穀物の大部分を輸入しているのは中小国であるが、どちらも人口が10億を上回る中国とインドで水不足が急速に進んでいるのは、世界の穀物市場を揺るがす前兆かもしれない。
(前掲書p55)

減反政策は絶対に誤り!
中国では水不足を一因とするコメの減産が起こっています。
また、アメリカのカリフォルニアでは、農家の灌漑用水を都市用水の買い付けが殺到し、コメの生産量が推定12万トン減少しました。
地球温暖化によるコメの減収も予測されていて、ジョン・シーヒィ作物生態学者によれば、イネの開花期に気温が30℃〜40℃の間で1度上昇するごとに、受精率は10%ずつ減少するようで、40℃でほぼ受精率はゼロまで低下するといいます。
嫌な予測!
そして現在のバイオテクノロジーをもっても、この気温上昇に対しては、大きな成果は上がっていません。
温暖化はすでに起こっている現象で、世界的なコメの生産状況を見るならば、日本の食糧安全保障上、減反などすべきでないはずです。
おかしな企業群を税金で助けるくらいなら、少しくらいおかしなコメ農家でも助けて、コメ生産を維持すべきです。
中国の物価水準が日本に匹敵するようになったら、その時、コメを輸出して儲ければいいんです(とテキトーなことを書いてしまいました)。
ご飯がなくなったら、寿司も食えない。
皆さん困りますよね。

最悪のシナリオ
中国はものすごい経済成長で、賃金もうなぎのぼりと聞きます。
工業などの産業が著しい発展をして、経済大国となるでしょう。
そうすると、世界の食糧をどんどん買うことのできる経済力を身につけることになります。
いくら食糧不足が来ても、経済力のある国は栄え、食糧を買うことができます。
その時日本は?
今や国の財政をみると、お寒いばかり現状で、いつ日本の「円」が信用を失ってもおかしくない状況にあります(つまり日本の破産。あるいは破産を回避するためのハイパーインフレ)。
最悪のシナリオは、その破産が世界の食糧不足と一致するか、食糧不足の起こったあとに起こった時。
貧乏な国、あるいは経済の混乱した国ほど、モノと買い付ける能力がないのは明らかです。
その時に食糧不足が起こることが一番恐ろしい。
現在、仮に経済的混乱が日本で起こっても、それほど食糧問題はそれほど逼迫した問題ではないと思います。
新円切り替えとなった場合でも、日本製品の優位性からその新円は、ある程度時間が経てば、恐らく信用がつくでしょうから。
この世界的な食糧不足が2080年以降に起こったら?
No Problem!
ここでなぜ2080年という年が出てくるのか、そして「No Problem!」なのか不思議でしょう。
食糧自給率」参照のこと。

それにしても、どうなることやら。

物理学の大先生アインシュタインいわく「この世の中には、菜食ほど人間の健康と生存の可能性を増大させるものはないだろう」。
もしアインシュタインが人口問題を考えていたなら、「人は増えすぎないほうがよい。それが地球上で人間が生存できる物理の掟だ」と言ったかも?(笑)

肉はほどほどに!(ファーストフードは明らかに良くない)
そしてコメを食べましょう!
できれば地元の魚も!(これを特に頑張りましょう!)
(2004年10月1日)